前職を退職したタイミングで離婚。全国規模の企業ならではの柔軟な対応に感謝。
Yさん / 51歳 / 男性 / 山梨県
転職前:ケアマネージャー
転職後:ケアマネージャー
転職成功
-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
関東圏に30以上ある施設(特定施設入居者生活介護)のケアマネを統括する業務に就いておりました。ケアプランの進捗チェックや施設内の必須書類の準備、介護保険被保険者証の更新期間のチェック、ケアマネに対する月に一度の研修会の実施、行政の実地調査時の立ち会い、欠員が出た施設への応援業務などが主な業務でした。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
当時の妻の精神状態悪化により業務に集中することができなくなり、このままだと会社に迷惑をかけてしまうことが続くと考えた事がきっかけです。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
例えば行政による実地調査があり、指摘事項がなければそれが報酬に直結していました。自治体や担当者によって調査内容や指摘事項に若干の差があるため、難しい面もありましたが、やりがいもあり、続けたかったと思っております。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
全国展開している企業であり、将来が有望と思われたためです。また、自分が持っている資格を生かせば昇格して給与アップも望めると考えたためです。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
最初はグループホームでの介護職でした。入居者様の生活上の一切のお世話(食事・排泄・入浴・レク・機能訓練・安全確保)で、夜勤も月の5回から8回行っておりました。
1年後にリーダーに昇格し、現場での判断や、ケアカンファレンスの実施、職員教育、管理者と連携して体調不良の入居者様の状態に応じた通院を計画するなどのマネジメントを行っておりました。
2年後に県内の他ホームで計画作成担当者に欠員が出たために異動し、リーダー兼計画作成担当者として9名のケアプランを担当しておりました。
3年後に社内のキャリアアップ試験に合格し、欠員が出たホームの管理者に任命されました。私としては様々な行事を企画し、世間に対する認知症のイメージを変えたいという思いが強くあったのですが、管理者になった時点でコロナによる様々な規制や感染対策に時間を裂かれる状態になりました。
管理者の業務は本社からの業務連絡を現場に降ろす事、職員(15名程度)のマネジメント(シフト作成・各種労務作業)、職員募集に関する業務(ハローワーク・求人媒体への求人依頼・独自の説明会を企画・開催し求人につなげる)、入居者様に関する業務(退去対応、新規入居対応、新規入居者獲得)、行政の実地指導対策と対応、9名の計画作成担当者業務を担当しておりました。
また、緊急連絡は年中24時間体制で受けておりました。緊急搬送時や、急なご逝去の時は夜間休日を問わず対応しておりました。
1年後にリーダーに昇格し、現場での判断や、ケアカンファレンスの実施、職員教育、管理者と連携して体調不良の入居者様の状態に応じた通院を計画するなどのマネジメントを行っておりました。
2年後に県内の他ホームで計画作成担当者に欠員が出たために異動し、リーダー兼計画作成担当者として9名のケアプランを担当しておりました。
3年後に社内のキャリアアップ試験に合格し、欠員が出たホームの管理者に任命されました。私としては様々な行事を企画し、世間に対する認知症のイメージを変えたいという思いが強くあったのですが、管理者になった時点でコロナによる様々な規制や感染対策に時間を裂かれる状態になりました。
管理者の業務は本社からの業務連絡を現場に降ろす事、職員(15名程度)のマネジメント(シフト作成・各種労務作業)、職員募集に関する業務(ハローワーク・求人媒体への求人依頼・独自の説明会を企画・開催し求人につなげる)、入居者様に関する業務(退去対応、新規入居対応、新規入居者獲得)、行政の実地指導対策と対応、9名の計画作成担当者業務を担当しておりました。
また、緊急連絡は年中24時間体制で受けておりました。緊急搬送時や、急なご逝去の時は夜間休日を問わず対応しておりました。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
グループホームはゆっくりと一人一人の入居者様に関わることができる所が魅力的だと感じておりました。しかし、実際には介護度が重度の方も多いためどうしても関わりに差ができてしまいます。またコロナ禍になってからは家族に通院介助をお願いすることができないケースが多々生じてしまい(県外のご家族が多く、会社の方針として県をまたいだ移動は原則禁止されたため)、現場の介護職員と管理者である私とで負担を分担しておりました。
医療面は往診医もいたのですが、18名中7~8名は県内の総合病院が主治医であったため、夜間や休日の体調不良時には大変な困難を感じておりました。訪問看護ステーションとも契約しており、週1回は訪問してくれていたのですが、緊急時の訪問に関する契約は交わしておらず、緊急時には救急搬送するしかない状態でした。医療面の体制の脆弱さは入社前のイメージとは違っておりました。
医療面は往診医もいたのですが、18名中7~8名は県内の総合病院が主治医であったため、夜間や休日の体調不良時には大変な困難を感じておりました。訪問看護ステーションとも契約しており、週1回は訪問してくれていたのですが、緊急時の訪問に関する契約は交わしておらず、緊急時には救急搬送するしかない状態でした。医療面の体制の脆弱さは入社前のイメージとは違っておりました。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
ホームの運営に関しては管理者ですが、本社からの通達に従って業務を進めなければならず、直属の上司の頭の固さにはいつも辛さを感じております。杓子定規にしか物事を考えることができない上司には、何を言っても無駄であると思ったことも多々ありました。私一人で何かを変えようとしても言いくるめられてしまうため、県内他ホームの管理者たちと協力したり、1対1ではない会議の場を利用して他者からの応援を得るという形で克服しておりました。
また、介護業界は離職が多い職種です。その中でも法令に定められた最低人員基準は満たさなければならず、常に求人や新人教育をしている状態でした。せっかく教育したのにもかかわらず短期で離職してしまう方も多く、苦労を感じております。
また、介護業界は離職が多い職種です。その中でも法令に定められた最低人員基準は満たさなければならず、常に求人や新人教育をしている状態でした。せっかく教育したのにもかかわらず短期で離職してしまう方も多く、苦労を感じております。
-仕事の中でやりがいを感じている部分はどこですか?
ホームの入居者様・ご家族様や職員からは頼られ、慕われております。また2つのユニットのリーダーとの関係も良好であるため、ホームの運営に関してはやりがいを感じる部分が多かったです。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功でした。
-なぜそのように感じましたか?
前職を退職したタイミングで離婚し、転居した中での新しい生活の中で不安が大きかったのですが、幸いな事に最初に配属されたホームの管理者が柔軟な考え方の持ち主であり、大変助けられました。キャリアアップ制度も充実しており、昇格もすることができました。
3つ目のホームでは管理者もさせていただき、重圧を感じながらも自己肯定感や自己重要感が上がり、自信に繋がりました。5年弱の経験の中で3つの移動と管理者への昇格という目まぐるしい変化はありましたが、それも含めて転職して良かった、成功であったと感じております。
3つ目のホームでは管理者もさせていただき、重圧を感じながらも自己肯定感や自己重要感が上がり、自信に繋がりました。5年弱の経験の中で3つの移動と管理者への昇格という目まぐるしい変化はありましたが、それも含めて転職して良かった、成功であったと感じております。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
私がこれまで経験してきた身障者デイサービス・介護老人保健施設・特定施設入居者生活介護と比較して、入居者様との関わりや会話が多いです。もし医療系の法人が運営しているグループホームや、特養を運営している社会福祉法人などが運営するグループホームであれば自立度の高い元気な入居者様が多く、認知症介護の奥深さを感じられることと思います。このようなグループホームであれば身体介護に時間をとられることも少なく、ひとりひとりの認知症高齢者に深く関わり、自身も人間として成長することができると思います。時間に追われた機械的な作業に飽き飽きしたが、介護の仕事自体には興味を感じている方にとってはグループホームは最高の体験となることでしょう。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
1.介護が好き、人との関わりが好きならグループホームがおすすめ。
グループホームの介護は特養や老健と比較すると時間に追われることが少なく、入居者様とゆっくり関わることができるところが多いです。
機械的にオムツ交換をしなければならないことなども少ないです。入居者様と一緒に食事の準備をしたりすることもできます。職員がしたほうが早く終わるような作業もあえて入居者様と一緒に行うことで、入居者様が持っている力を活かすことができます。会話する量や、ひとりひとりにかける時間も他の介護施設よりは多い傾向にあります。
人との関わりが好きな方であれば、仕事していることを忘れてしまうほど楽しい瞬間があるはずです。
私は前職では事務系ケアマネと表現しても差し支えないような環境だったのですが、その時の自分と比較すると「人間力」や「適応力」が高まったと感じています。これは日々入居者様と近い環境で直接介護をしていたからだと考えております。
2.グループホームでのケアマネ業務(計画作成担当者業務)は他施設と比較して、本人との距離が近く計画の立てやすさがあり変化の対応しやすい。
他施設のケアマネの役割は、介護職員から情報を吸い上げてケアプランを作成することが主になると思いますが、グループホームのケアマネ(計画作成担当者)は現場に入ることも多いため本人との直接的な関わりが多くなります。職員全員でケアプランの方向性を決めやすく、状態変化に応じてプランに修正が必要である状態に気が付くまでの時間も早いでしょう。
3.認知症介護を知ることは人間を知ることにつながる。
身体介護と認知症介護はいずれも大変なのですが、特に認知症介護は単に技術だけではどうにもならないこともあります。目の前の認知症の方が本当は何を考えているのか、どうして周りから見ると問題と捉えられるような行動をしてしまうのか、どうして介護を拒否してしまうのかなど、一般的な知識と経験だけで答えを出せるものではありません。
目の前の方認知症の方のことをよく見て、背景を知って、歴史を知ることでこれらの課題が解決できる糸口が見つかることがよくあります。なので、認知症介護を知ることはすなわちその人を知ることの積み重ねだと思います。個別介護がしやすいグループホームはまさにこの点で他の施設にはない魅力があると言えます。
4.コロナ禍では柔軟な変化を必要とする。
コロナ禍は世界中の人々の生活を変えました。健常者ですら、世の中に変化に対応していくのが大変です。
しかし、認知症の方々は私たちが感じている以上のストレスを抱えています。今まで職員と一緒に行っていた買い物に行けなくなってしまった、近所の友人たちとの集まりがなくなってしまった、家族との面会が禁止されてしまい寂しさを感じているなど、数えきれないほどの変化がありました。
しかも、世の中が変化していることを都度説明しても忘れてしまうため、職員が権力で制限しているように感じている認知症高齢者も多いです。そんな中で、昔ながらのやり方で職員や入居者の管理をしている施設は質の変化を求められていることに気が付いていないと言えます。
いつまでも今までのやり方に固執していては時代から取り残されてしまいます。私はこの点で今の職場の考え方に疑問を感じており、転職を考えております。入居者様に近い場所にいるからこそ、コロナ禍における柔軟な変化の必要性を強く感じています。
グループホームの介護は特養や老健と比較すると時間に追われることが少なく、入居者様とゆっくり関わることができるところが多いです。
機械的にオムツ交換をしなければならないことなども少ないです。入居者様と一緒に食事の準備をしたりすることもできます。職員がしたほうが早く終わるような作業もあえて入居者様と一緒に行うことで、入居者様が持っている力を活かすことができます。会話する量や、ひとりひとりにかける時間も他の介護施設よりは多い傾向にあります。
人との関わりが好きな方であれば、仕事していることを忘れてしまうほど楽しい瞬間があるはずです。
私は前職では事務系ケアマネと表現しても差し支えないような環境だったのですが、その時の自分と比較すると「人間力」や「適応力」が高まったと感じています。これは日々入居者様と近い環境で直接介護をしていたからだと考えております。
2.グループホームでのケアマネ業務(計画作成担当者業務)は他施設と比較して、本人との距離が近く計画の立てやすさがあり変化の対応しやすい。
他施設のケアマネの役割は、介護職員から情報を吸い上げてケアプランを作成することが主になると思いますが、グループホームのケアマネ(計画作成担当者)は現場に入ることも多いため本人との直接的な関わりが多くなります。職員全員でケアプランの方向性を決めやすく、状態変化に応じてプランに修正が必要である状態に気が付くまでの時間も早いでしょう。
3.認知症介護を知ることは人間を知ることにつながる。
身体介護と認知症介護はいずれも大変なのですが、特に認知症介護は単に技術だけではどうにもならないこともあります。目の前の認知症の方が本当は何を考えているのか、どうして周りから見ると問題と捉えられるような行動をしてしまうのか、どうして介護を拒否してしまうのかなど、一般的な知識と経験だけで答えを出せるものではありません。
目の前の方認知症の方のことをよく見て、背景を知って、歴史を知ることでこれらの課題が解決できる糸口が見つかることがよくあります。なので、認知症介護を知ることはすなわちその人を知ることの積み重ねだと思います。個別介護がしやすいグループホームはまさにこの点で他の施設にはない魅力があると言えます。
4.コロナ禍では柔軟な変化を必要とする。
コロナ禍は世界中の人々の生活を変えました。健常者ですら、世の中に変化に対応していくのが大変です。
しかし、認知症の方々は私たちが感じている以上のストレスを抱えています。今まで職員と一緒に行っていた買い物に行けなくなってしまった、近所の友人たちとの集まりがなくなってしまった、家族との面会が禁止されてしまい寂しさを感じているなど、数えきれないほどの変化がありました。
しかも、世の中が変化していることを都度説明しても忘れてしまうため、職員が権力で制限しているように感じている認知症高齢者も多いです。そんな中で、昔ながらのやり方で職員や入居者の管理をしている施設は質の変化を求められていることに気が付いていないと言えます。
いつまでも今までのやり方に固執していては時代から取り残されてしまいます。私はこの点で今の職場の考え方に疑問を感じており、転職を考えております。入居者様に近い場所にいるからこそ、コロナ禍における柔軟な変化の必要性を強く感じています。
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