療養型病院の介護士としての限界…この状況から抜け出すには?
療養型病院の介護士としての限界…この状況から抜け出すには?
まずは、ご相談ありがとうございます。現状の職場環境について、大変なご心境であることとお察しいたします。4年間も悩みながら勤務を続けられたこと、本当に尊敬します。今回の記事では、療養型病院で働く介護士の方々が抱える悩みに対し、具体的な解決策とキャリア形成のヒントを提供します。
病院勤務をしております。初めて療養型病院に勤めその勤務内容に困惑しております。今まではこれも社会の厳しさなのだから、辛いだのえらいだのは甘えなのだと自分自身に言い聞かして参りましたが、どうも疑問点ばかりが浮かんできます。申し訳ございませんが、皆様に私の職場環境について意見を頂きたいと思います。
職場
- 病院は療養型病院である
- 現在、60名の患者様が入院している
- 日勤は看護師が6~8人、介護士が6~8人で勤務し、夜勤は看護師が2人、介護士が2人で勤務している
- 患者様はパジャマをお召しになり、土日祝日以外は毎日60名の患者様が着替えを行う
- 患者様の入浴は1週間に2回
- 経口(つまり食事するという事)の患者様は20名以上で食堂で召し上がる
疑問の職場環境
- ナースコールは90%以上が介護士が対応する。看護師は基本的に動かない。
- 休憩時間は看護師も介護士も職員全員で休憩に入り、その間のナースコールは休憩時間を割いて介護士が対応する。勿論、対応に追われて休憩が15分削られようと30分削られようと給料は発生しない。しかもそのような事は日常茶飯事であり、まともに休憩をとれた日が数少ない。
- 患者様は毎回食堂でお食事される。しかし、20名いる患者様の9割が全介助の移動であり、そもそも動けない患者様がなぜ食堂で召し上がるのか。(本来、どこの病院でも介助の必要にかかわらず患者様は基本的に病室で召し上がる。)
- 毎日、介護士が6~8人で60名の寝たきりの患者様を全介助で着替えを行うのだが、なぜこの人数でこれだけの患者様を毎日毎日着替えるのか。しかも、病衣ではなくなぜ全員がパジャマなのか・・・。
- 夜勤の翌日は休みというのが普通だが、たびたび早番や遅番などの勤務がある。
- 患者様の職員に対する暴言暴力は一切注意せず、例え病的なものからくる暴言暴力であっても与薬による治療などは一切行わない
- 患者様の一言一句はすべてご要望であり、断ったりしてはいけないという謎の理念を掲げる。例えば、とくになんの症状もない患者様が面倒くさいという理由で「リハビリに行きたくない」とおっしゃれば聞き入れる。
- 病院でありながら施設のような対応をする。例えば、散歩に行きたいというご家族がおっしゃれば全介助の患者様をわざわざ介護士を呼び車椅子へ移動させる。(一般的にこのようなことはご家族が医師や看護師に許可を得て自ら行うものである。病院は施設ではない)
- 患者様の医療行為の拒否を受け入れてしまう。医療を拒否するならばなぜ病院にいるのか。
- カンファレンスを行うものの、職員の意見を集めるでもなくただ決まった事をこうなりましたと報告するだけ。例え職員からの意見があっても聞き入れないので、皆が諦めている。
・・・等々、書けば切りがありません。わかりやくす説明すると以下のような一日です。
とある介護士Aの一日(日勤)1
この日は介護士は7人体制、午前には患者様の入浴があり、入浴介助に介護士2人・外回りに介護士2人(外回りとは、言い方は悪いが患者様の運び専門の事)・入浴しない患者様の着替えにA を含めて介護士3人。
9:00~ 勤務開始。Aを含め3人の介護士はおよそ25名の患者様を陰部洗浄してオムツ交換をしながら全介助で着替えさせる。これを11:00までに済ませなければならない。
11:00~ すべての患者様のオムツ交換をしながら体位を変える。
11:30 お食事に出る20名の患者様をほぼ全介助にて起こしていく。これをAを含め3人の介護士で30分以内に行う。
12:00~ お食事開始。この時点で入浴はまだ終わらず・・・。
12:30 入浴が終わり、Aら3人を除いた介護士が食事へ行き、15分以内に戻ってこなければいけない。
13:00~ 食事介助等々も終わり、やっと休憩に入る。しかしナースコールが鳴り始め、結局20分しか休めなかった・・・。
13:45~ 60名の患者様のオムツ交換。
15:00~ オムツ交換が終わり、患者様のおやつの時間。7人の介護士は、20名の患者様のおやつ介助・15名の患者様の口腔ケア(自身で歯磨きを行えない患者様を介助する)・60名の患者様の洗濯物を配布・病棟内の簡単な掃除・次の日の為に60名の患者様の着替えとオムツをタンスにセット・・・を行う。
16:00~ 60名の患者様のオムツ交換(飛ばしが多い)と体位の変更。
17:30~ 勤務終了。
ざっとこのような感じです。
入浴は、「外回り」になれば、30名を越える患者様をいわゆるお姫様抱っこでベッドからストレッチャーに移乗して、風呂場へお連れしてまた戻す・・・これを約70回行わなければなりません。40キロから60キロある患者様を何十回にわたりお姫様抱っこは大変苛酷です。
病院なのに、このような勤務はごく当たり前でしょうか。
あまりに職員に辛いと思うのは私の甘えでしょうか。補足ちなみに、介護士の全員がここはブラック企業だと言っています。施設でもあるまいにこんな対応はあり得ない、病院のやり方ではない、こんなに酷い職場は過去に2つとない、と言いながら辞職していきます。
最初は、若いうちは苦労も経験だ・・・世間をなめているから辛い辛いと泣き言ばかり出てくるのだ・・・と4年耐えて参りましたが、さすがに肉体的精神的にも限界が来ており、周囲の声もあいまって不安になります。
支離滅裂な文章で申し訳ございません・・・。どうか、ご意見お叱りを頂けますか。
現状の課題を整理する
まず、現状の課題を具体的に整理し、問題の本質を明確にしましょう。ご相談内容から、以下の点が特に深刻な問題として挙げられます。
- 過重労働: 人員不足、休憩時間の確保困難、業務量の多さ。
- 不適切な役割分担: 看護師と介護士の業務分担が不明確、介護士への負担過多。
- 組織運営の問題: 患者第一主義が行き過ぎている、職員の意見が反映されない、医療機関としての意識の欠如。
- 精神的負担: 患者からの暴言・暴力への対応、医療行為の拒否への対応、理念への疑問。
これらの問題は、あなたの心身に大きな負担を与えているだけでなく、介護士としての専門性やキャリア形成の妨げにもなりかねません。
問題解決のための具体的なステップ
現状を改善するために、以下のステップで行動を起こしましょう。
1. 現状の把握と記録
まずは、現状を客観的に把握するために、具体的な記録を取りましょう。記録することで、問題の深刻さを可視化し、改善を求める際の根拠となります。
- 労働時間: 始業時間、終業時間、休憩時間、残業時間を記録します。
- 業務内容: 具体的な業務内容、時間配分、対応した患者数などを記録します。
- ナースコールの対応状況: 誰が、どのくらいの頻度で、どのような内容のナースコールに対応しているかを記録します。
- 問題発生時の記録: 患者からの暴言・暴力、医療行為の拒否、その他問題が発生した日時、状況、対応内容を記録します。
2. 職場への働きかけ
記録を基に、職場に対して改善を求める行動を起こしましょう。単独での行動が難しい場合は、同僚と協力して取り組むことも有効です。
- 上司への相談: 記録を基に、上司に現状の問題点と改善策を具体的に伝えます。
- 労働組合への相談: 労働組合がある場合は、労働環境の改善について相談し、協力を求めます。
- 改善提案: 業務分担の見直し、人員配置の改善、休憩時間の確保など、具体的な改善策を提案します。
- 記録の提出: 記録を上司や関係部署に提出し、問題の深刻さを理解してもらうように努めます。
3. 専門家への相談
職場への働きかけがうまくいかない場合や、より専門的なアドバイスが必要な場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 弁護士: 労働問題に詳しい弁護士に相談し、法的観点からのアドバイスを受けます。
- 産業医・保健師: 心身の健康状態について相談し、適切なアドバイスやサポートを受けます。
- キャリアコンサルタント: キャリアに関する悩みや、今後の方向性について相談します。
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キャリアチェンジも視野に
現状の職場環境が改善されない場合、キャリアチェンジも選択肢の一つです。介護士としての経験を活かし、より良い環境で働くための方法を考えてみましょう。
1. 転職先の検討
転職を検討する際には、以下の点を考慮し、自分に合った職場を探しましょう。
- 職場環境: 労働時間、休憩時間、人員配置、業務内容などを確認します。
- 給与・待遇: 給与、福利厚生、昇給制度などを確認します。
- 教育制度: 研修制度、資格取得支援などを確認します。
- 職場の雰囲気: 職員間の人間関係、チームワークなどを確認します。
転職サイトやハローワークなどを活用し、求人情報を収集しましょう。また、転職エージェントに相談し、あなたの希望に合った求人を紹介してもらうのも良いでしょう。
2. スキルアップ
転職を成功させるためには、スキルアップも重要です。以下の方法で、介護士としての専門性を高めましょう。
- 資格取得: 介護福祉士、ケアマネージャーなどの資格を取得し、キャリアアップを目指します。
- 研修への参加: 専門的な知識や技術を習得するための研修に参加します。
- 自己学習: 介護に関する書籍や雑誌を読んだり、インターネットで情報を収集したりして、自己学習に励みます。
3. 介護士としてのキャリアパス
介護士としてのキャリアパスは多岐にわたります。あなたの経験や希望に応じて、様々な選択肢があります。
- 施設長・管理者: 介護施設の運営に携わる。
- ケアマネージャー: ケアプランの作成や、利用者と関係機関との連携を行う。
- 生活相談員: 利用者の相談対応や、入退所の手続きを行う。
- サービス提供責任者: 訪問介護サービスの計画作成や、ヘルパーの指導を行う。
- 専門職: 認知症ケア専門士、褥瘡(じょくそう)ケア専門士など、専門性を高める。
成功事例から学ぶ
実際に、過酷な環境から抜け出し、キャリアアップを実現した介護士の方々の事例を紹介します。
事例1: 労働環境の改善に成功したAさん
Aさんは、あなたと同様に療養型病院で過重労働に苦しんでいました。記録を取り、上司に相談した結果、人員配置の見直しと、休憩時間の確保が実現しました。さらに、労働組合に加入し、労働環境の改善を積極的に働きかけた結果、より働きやすい環境へと変わりました。
事例2: キャリアチェンジで活躍するBさん
Bさんは、介護士として5年間勤務した後、より専門性を高めるためにケアマネージャーの資格を取得しました。その後、訪問介護事業所に転職し、ケアマネージャーとして活躍しています。Bさんは、介護士としての経験を活かし、利用者の方々のニーズに寄り添ったケアプランを作成し、高い評価を得ています。
事例3: スキルアップで給与アップを実現したCさん
Cさんは、介護福祉士の資格を取得後、認知症ケアに関する研修に参加しました。その後、特別養護老人ホームに転職し、認知症ケア専門の介護士として活躍しています。Cさんは、専門性を高めたことで、給与アップも実現し、やりがいを持って働いています。
まとめ
療養型病院での介護士としての勤務は、肉体的にも精神的にも大変な負担を伴うものです。しかし、現状を改善するための方法は必ずあります。まずは、現状を客観的に把握し、記録を取りましょう。そして、職場への働きかけや、専門家への相談を通じて、問題解決に向けて行動を起こしましょう。もし、現状の職場環境が改善されない場合は、キャリアチェンジも視野に入れ、自分に合った働き方を探しましょう。あなたの経験とスキルを活かし、より良い環境で活躍できることを心から応援しています。
今回の記事が、あなたのキャリアを考える上で少しでもお役に立てれば幸いです。頑張ってください。
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