特養と老健の違いに戸惑う介護士のあなたへ:価値観の衝突を乗り越え、利用者さんの安心を守る働き方
特養と老健の違いに戸惑う介護士のあなたへ:価値観の衝突を乗り越え、利用者さんの安心を守る働き方
この記事は、介護業界で働くあなたが直面する、施設間の価値観の違いや、利用者さんの安全と自立支援の間で揺れ動く葛藤について、具体的な解決策と、より良い働き方を見つけるためのヒントを提供します。
4月から特養で勤務しています。以前は老健で9年働いていました。老健で働いている頃は危機管理、リスク回避などうるさく言われて働いてきました。利用者様が居室でお菓子を食べていれば「窒息事故の可能性あり」で回収したり、義歯をポケットに入れてしまう利用者様がいれば「紛失の可能性あり」で食事時以外は職員管理にしたり。どれも利用者様やご家族の許可を得て行ってきました。老健は基本的に3ヶ月に一度は在宅への考え方なので、いかに利用者様の安全を守るかが問われていました。
しかし、4月から働く特養では考え方が全く逆で利用者様、ご家族主体です。先日、こんなことがありました。居室で寝ながら飴を食べている利用者様がいました。男性、軽度の認知症ありです。私は危険を感じて利用者様の許可を得て飴袋を回収しました。後日、ユニットリーダーに報告しました。すると、「○○さんは居室で寝ながら飴を食べたい人。そこに制限は掛けれない。」と言われました。私は「もし、窒息事故が起きればユニットや施設責任になる。利用者様の自己責任ではない。利用者様の生活習慣を守りつつもリスク回避をしないといけない。」と言うとリーダーは「窒息しても仕方ない。ご家族が飴を居室に置いていったのだからそれでいい。」との答えでした。これが特養か、、、と初めて知りました。働き始めて一ヶ月半、職員教育とリスマネジメントには疎い施設だと感じていました。
特養とか老健とか関係なく、利用者様の生活を援助しながらリスクを回避していくのが介護の仕事ではないですか?今回は私が独断で飴を回収しましたが、必要ならカンファレンスを開いたり利用者様が安全に生活ができるようにしていくのが介護の仕事ではないですか?「仕方ない」が特養の考え方か、ユニットリーダーの考え方かは不明ですが全く呆れました。
介護施設における価値観の相違とジレンマ
介護業界で働く皆様、特に特養と老健という異なる環境で経験を積まれた方々が直面する、施設間の価値観の違いや、利用者さんの安全と自立支援の間で揺れ動く葛藤は、非常に共感できるものです。今回の相談者様のように、以前の職場(老健)では徹底したリスク管理が求められ、それが当然だった方が、特養という新たな環境で「利用者様主体」という考え方に触れ、戸惑いを感じるのは当然のことです。
介護の現場では、利用者さんの尊厳を守り、その人らしい生活を支援することが重要です。しかし同時に、事故や怪我のリスクを最小限に抑え、安全な環境を提供することも不可欠です。この二つのバランスを取ることが、介護職の大きな課題であり、そのバランス感覚は、施設の方針や個々の価値観によって大きく異なってきます。
相談者様のケースでは、老健での経験から「リスク回避」を重視する考え方が根付いており、特養での「自己責任」という考え方との間で、大きなギャップを感じています。これは、決して珍しいことではありません。施設の種類や、その施設が重視する価値観によって、介護のやり方は大きく変わることがあります。
特養と老健、それぞれの特徴と課題
特養(特別養護老人ホーム)と老健(介護老人保健施設)は、それぞれ異なる目的と役割を持っています。これらの違いを理解することが、今回の問題の本質を理解し、より良い解決策を見つけるための第一歩となります。
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特養(特別養護老人ホーム)
終身利用を前提とし、日常生活の支援を主に行います。生活の質(QOL)の維持・向上に重点が置かれ、利用者さんの「その人らしい」生活を尊重する傾向があります。リスク管理は重要ですが、それ以上に、利用者さんの自己決定を尊重し、可能な限り自由な生活を支援することが求められます。
課題としては、看取り介護や長期的なケアが必要となるため、職員の負担が増加しやすく、個別のニーズへの対応が難しくなることがあります。また、リスク管理と自立支援のバランスを取ることが、常に求められます。
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老健(介護老人保健施設)
在宅復帰を目的とし、リハビリテーションや医療ケアを提供します。3ヶ月に一度の在宅復帰を目標とするため、医療的な側面が強く、リスク管理が重視される傾向があります。再発防止や、安全な在宅生活を送るためのサポートが主な役割です。
課題としては、在宅復帰を最優先とするため、利用者さんの意向が二の次になってしまうことや、リハビリ中心のスケジュールに追われ、生活の質(QOL)が低下することがあります。また、医療的な知識や技術が求められるため、専門性の高い人材が必要となります。
今回の相談者様が経験したように、特養と老健では、価値観や重視するポイントが大きく異なります。老健で培ったリスク管理の意識は、特養でも役立つ場面はありますが、過度なリスク管理は、利用者さんの生活の質を低下させる可能性もあります。それぞれの施設の特性を理解し、柔軟に対応することが求められます。
価値観の衝突を乗り越えるための具体的なステップ
では、異なる価値観の中で、どのようにして利用者さんの安心を守り、自分自身も納得して働くことができるのでしょうか。以下に、具体的なステップを提示します。
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施設の理念と方針の理解
まずは、自分が所属する施設の理念や方針を深く理解することが重要です。施設がどのような価値観を重視し、どのようなケアを提供することを目指しているのかを把握しましょう。就業規則や、施設長、ユニットリーダーとの面談などを通じて、理解を深めることができます。
今回のケースでは、特養の「利用者様主体」という考え方を理解し、その上で、どのようにリスク管理を行うべきかを考える必要があります。施設の方針が、あなたの考える「介護の仕事」と異なる場合でも、まずはその方針を受け入れ、その中で、自分の役割を見つけることが大切です。
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情報収集と学習
リスク管理に関する知識や、認知症ケア、コミュニケーションスキルなど、介護に関する知識を深めることは、利用者さんの安全を守る上で不可欠です。研修に参加したり、専門書を読んだり、先輩職員からアドバイスをもらったりすることで、知識を習得しましょう。
特に、認知症のある利用者さんのケアにおいては、その方の状態を理解し、個別のニーズに合わせた対応をすることが重要です。今回のケースでは、飴を食べるという行為の背景にある心理や、リスクと安全のバランスを考えるために、認知症ケアに関する知識が役立ちます。
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コミュニケーションと連携
チームワークは、介護の質を向上させる上で非常に重要です。同僚や上司とのコミュニケーションを密にし、情報共有を積極的に行いましょう。困ったことがあれば、一人で抱え込まずに、相談することが大切です。
今回のケースでは、ユニットリーダーや他の職員と、利用者さんのケアについて話し合うことが重要です。カンファレンスを開き、リスクと安全のバランスについて議論することで、より良いケアプランを立てることができます。また、ご家族との連携も重要です。利用者さんの生活習慣や、ご家族の意向を把握し、協力してケアにあたりましょう。
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リスクマネジメントの実践
リスク管理は、介護の現場で非常に重要な役割を果たします。事故を未然に防ぎ、利用者さんの安全を守るために、以下の点を意識しましょう。
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リスクアセスメントの実施: 利用者さんの状態や、生活環境におけるリスクを評価し、具体的な対策を立てます。
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記録の徹底: 利用者さんの状態や、ケアの内容を正確に記録し、情報共有に役立てます。
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ヒヤリハット報告: 事故には至らなかったものの、危険を感じた事例を報告し、再発防止に努めます。
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研修の受講: リスク管理に関する研修を受講し、知識とスキルを向上させます。
今回のケースでは、飴を食べるという行為のリスクを評価し、窒息事故のリスクを軽減するための対策を検討する必要があります。例えば、飴の形状を変える、見守りの体制を強化する、食事の時間帯に食べるように促すなど、様々な対策が考えられます。
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自己研鑽とキャリアアップ
介護の仕事は、常に学び続けることが求められます。資格取得や、専門知識の習得を通じて、自己研鑽に励みましょう。キャリアアップを目指すことで、自分の成長を実感し、モチベーションを維持することができます。
今回のケースでは、認知症ケアに関する専門知識を深めることや、リスクマネジメントに関する資格を取得することが、役立つかもしれません。また、リーダーシップを発揮し、チームをまとめ、より良いケアを提供するためのスキルを磨くことも重要です。
事例から学ぶ:リスク管理と自立支援の両立
今回の相談者様のケースを例に、具体的な解決策を考えてみましょう。以下は、一つの提案です。
問題点: 居室で寝ながら飴を食べている利用者様がおり、窒息のリスクがある。
解決策:
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情報収集: 利用者様の既往歴や、現在の健康状態、飴を食べる頻度などを確認します。ご家族にも、飴を食べる習慣や、その理由について詳しくヒアリングします。
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アセスメント: 窒息のリスクを評価します。嚥下機能の低下や、認知症による注意力の低下など、リスク要因を特定します。
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チームでの協議: ユニットリーダー、看護師、その他の職員と、利用者様のケアについて話し合います。カンファレンスを開き、情報共有と意見交換を行います。
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ケアプランの作成: 利用者さんの安全を守りつつ、自己決定を尊重するためのケアプランを作成します。例えば、以下のような対策が考えられます。
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飴の形状の変更: 窒息のリスクを軽減するために、飴の形状を小さくする、または溶けやすいものに変更する。
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見守りの強化: 居室での見守りを強化し、飴を食べる様子を観察する。
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食事の時間帯に食べるように促す: 食事の時間帯に飴を食べるように促し、誤嚥のリスクを軽減する。
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ご家族との連携: ご家族に、飴の摂取に関する注意点や、ケアの方法について説明し、協力を求める。
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評価と修正: ケアプランの効果を評価し、必要に応じて修正します。定期的にカンファレンスを開き、情報共有と評価を行います。
この例では、リスク管理と自立支援の両立を目指し、利用者さんの安全を守りつつ、その人らしい生活を支援するための具体的な対策を提案しています。重要なのは、一方的な判断ではなく、チームで協力し、利用者さん、ご家族と話し合いながら、最適なケアを見つけることです。
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まとめ:あなたらしい働き方を見つけるために
介護業界で働く皆様が、施設間の価値観の違いや、リスク管理と自立支援のバランスに悩み、葛藤することは、決して珍しいことではありません。しかし、それは、あなたが真剣に「介護の仕事」に向き合い、利用者さんのために最善を尽くそうとしている証拠です。
今回の記事で紹介したように、施設の理念や方針を理解し、情報収集と学習を重ね、コミュニケーションと連携を密にし、リスクマネジメントを実践し、自己研鑽とキャリアアップを目指すことで、あなた自身も成長し、利用者さんにとってもより良いケアを提供することができます。
もし、今の職場での働き方に悩んでいるなら、転職も一つの選択肢です。あなたの経験やスキルを活かせる、より良い環境があるかもしれません。自分に合った働き方を見つけるために、積極的に情報収集し、行動を起こしましょう。
介護の仕事は、大変なことも多いですが、その分、やりがいも大きい仕事です。利用者さんの笑顔や、感謝の言葉は、あなたのモチベーションを高め、日々の努力を支えてくれます。あなたらしい働き方を見つけ、介護のプロフェッショナルとして、輝き続けてください。
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