相続放棄申述書の作成：93歳のおばあ様のケースで知っておくべきこと
相続放棄申述書の作成：93歳のおばあ様のケースで知っておくべきこと
この記事では、相続放棄申述書の作成に関する疑問にお答えします。特に、高齢の親族が相続放棄を希望する場合の具体的な対応策や、専門家への依頼について、詳しく解説します。相続放棄の手続きは複雑で、特に高齢者の場合は様々な問題が生じがちです。この記事を読むことで、あなたは適切な対応方法を知り、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
相続放棄の申述書作成のことで質問があります。
父の負債(家屋と借金2千～3千万)があり、子である私達兄妹の受理がされました(母は離婚の後他界)。現在はここの段階です。
そして第二順位の祖母(父の母親です。父親は他界)のことで質問があります。
遠方に住む祖母に見本を送り申述書を書いてもらい、私の所へ送り返してもらったのですが、祖母は９３歳で、申述書作成の際に氏名のみしか書くことができず、同居の伯父(父の弟。後に第三順位で相続放棄の予定)が祖母の氏名以外を書いてしまいました。筆跡、筆圧も祖母とは全然違います。氏名のフリガナも伯父が書いていました。
これでは受理されませんか？
色々調べていると、代行業者に戸籍謄本など書類集めをしてくる所もあり、書類にサインと捺印のみお願いしますとあります。
こう言った代行業者のサインとは住所含め申述者本人が全て書くと言うことでしょうか？
サイン＝氏名と捺印で良いとの解釈であれば、祖母の申述書の名前以外を叔父が記入していても受理されるのかな？と思いまして。
もうひとつお聞きしたいのですが、祖母には痴呆がなく自分の意思で相続放棄を希望していますが、氏名以外の代筆が無効であれば成年被後見人を立てることでよいのでしょうか？
しかし医師の診断などが必要とあり、同居の伯父に頼むのも悪いなと思っておりますし、そもそも痴呆や介護等級が無くてどう診断書を書いてもらうのかも不明です。
氏名のみしか書けないとしたらどう言った相続放棄申述書作成が最善なのでしょうか…。
詳しい方、もしくは代行業者(行政書士に依頼なども)に実際にお願いされた方がおられましたら教えて頂きたいです。宜しくお願い致します。
相続放棄申述書の作成における基本と注意点
相続放棄は、被相続人の借金や負債から逃れるための重要な手続きです。しかし、手続きには専門的な知識が必要であり、特に高齢者の場合は様々な問題が生じやすくなります。今回のケースでは、93歳のおばあ様が相続放棄を希望しているものの、申述書の作成に困難をきたしている状況です。以下では、相続放棄申述書の作成における基本と、このケースにおける具体的な注意点について解説します。
相続放棄の基本的な流れ
相続放棄は、家庭裁判所に対して行う手続きです。基本的な流れは以下の通りです。
- 相続放棄の意思決定: 相続放棄をするかどうかを決定します。
- 必要書類の準備: 戸籍謄本や住民票など、相続放棄に必要な書類を準備します。
- 申述書の作成: 家庭裁判所に提出する申述書を作成します。
- 家庭裁判所への提出: 作成した申述書と必要書類を家庭裁判所に提出します。
- 審査: 家庭裁判所が提出された書類を審査します。
- 受理の決定: 家庭裁判所が相続放棄を認める場合、受理の決定がなされます。
申述書の記載と代筆について
申述書は、相続放棄の手続きにおいて非常に重要な書類です。申述書には、相続人の氏名、住所、被相続人との関係、相続放棄の理由などを記載する必要があります。今回のケースのように、高齢で自分で申述書を記載することが難しい場合は、代筆が問題となります。
原則として、申述書は相続人本人が自署する必要があります。しかし、本人が自署できない場合は、代筆も認められる場合があります。ただし、代筆の場合には、代筆者の氏名や続柄を明記し、代筆の理由を説明する必要があります。今回のケースでは、おばあ様の氏名以外を伯父様が記載しているため、この点が問題となります。家庭裁判所がこの申述書を受理するかどうかは、代筆の状況や、おばあ様の意思確認の状況などによって判断されます。
93歳のおばあ様のケースにおける具体的な対応策
今回のケースでは、93歳のおばあ様が相続放棄を希望しているものの、申述書の作成に困難をきたしています。以下では、具体的な対応策をいくつか提案します。
1. 家庭裁判所への相談
まず、家庭裁判所に相談することが重要です。家庭裁判所は、相続放棄の手続きに関する相談を受け付けています。今回のケースについて、状況を詳しく説明し、どのような対応が必要かアドバイスを受けることができます。家庭裁判所は、個別の事情に応じて、柔軟な対応をしてくれる場合があります。
2. 代筆の状況を説明する
申述書を提出する際には、代筆の状況を詳しく説明する必要があります。具体的には、以下の点を説明します。
- 代筆者: 伯父様の氏名、住所、おばあ様との関係を明記します。
- 代筆の理由: おばあ様が自署できない理由（高齢のため、など）を具体的に説明します。
- おばあ様の意思確認: おばあ様が相続放棄を希望していることを証明するために、意思確認を行った方法（口頭での確認、録音など）を説明します。
これらの情報を申述書に記載するか、別途上申書を作成して提出します。これにより、家庭裁判所が状況を理解し、適切な判断を下すための材料を提供することができます。
3. 意思能力の確認
相続放棄をするためには、相続人に意思能力があることが必要です。今回のケースでは、おばあ様に痴呆がないとのことですが、念のため、意思能力を確認するための措置を講じることが望ましいです。具体的には、以下の方法が考えられます。
- 医師の診断: 医師に診断書を作成してもらい、おばあ様に意思能力があることを証明します。痴呆や介護等級がなくても、意思能力の診断は可能です。
- 第三者の立ち会い: 相続放棄の手続きに、第三者（弁護士、司法書士など）に立ち会ってもらい、おばあ様の意思確認を行います。
これらの措置により、相続放棄の有効性を高めることができます。
4. 成年後見制度の利用
おばあ様の判断能力に不安がある場合は、成年後見制度の利用も検討できます。成年後見制度を利用することで、成年後見人がおばあ様の財産管理や身上監護を行うことができます。成年後見人は、家庭裁判所の監督のもとで、おばあ様の利益のために行動します。成年後見制度を利用する場合には、医師の診断が必要となります。
5. 専門家への依頼
相続放棄の手続きは複雑であり、専門的な知識が必要となる場合があります。弁護士や司法書士などの専門家に依頼することで、スムーズに手続きを進めることができます。専門家は、書類の作成、家庭裁判所とのやり取り、その他の手続きを代行してくれます。また、専門家は、個別の状況に応じた最適なアドバイスを提供してくれます。
代行業者への依頼について
今回のケースでは、代行業者に書類作成を依頼することも検討されています。代行業者に依頼する場合の注意点について解説します。
代行業者の業務範囲
代行業者は、相続放棄の手続きに関する様々な業務を代行してくれます。具体的には、以下の業務が考えられます。
- 書類の収集: 戸籍謄本や住民票など、相続放棄に必要な書類を収集します。
- 申述書の作成: 家庭裁判所に提出する申述書を作成します。
- 家庭裁判所への提出: 作成した申述書と必要書類を家庭裁判所に提出します。
- その他の手続き: 家庭裁判所とのやり取りや、その他の手続きを代行します。
ただし、代行業者は、法律に関する専門的なアドバイスを提供することはできません。法律相談や、裁判所での代理行為は、弁護士の独占業務です。
代行業者を選ぶ際の注意点
代行業者を選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。
- 料金: 料金体系が明確であること。追加料金が発生する場合は、その内容を事前に確認しておくこと。
- 実績: 相続放棄に関する実績が豊富であること。
- 対応: 丁寧で親切な対応をしてくれること。
- 信頼性: 信頼できる業者であること。口コミや評判などを参考に、業者の信頼性を確認すること。
代行業者に依頼する前に、必ず見積もりを取り、業務内容や料金について確認しましょう。
相続放棄の手続きをスムーズに進めるためのチェックリスト
相続放棄の手続きをスムーズに進めるために、以下のチェックリストを活用してください。
- 相続放棄の意思決定: 相続放棄をするかどうかを決定しましたか？
- 必要書類の収集: 戸籍謄本、住民票、被相続人の死亡を証明する書類など、必要な書類を収集しましたか？
- 申述書の作成: 申述書を作成しましたか？代筆が必要な場合は、代筆の状況を説明する書類も作成しましたか？
- 意思能力の確認: おばあ様の意思能力を確認するための措置（医師の診断、第三者の立ち会いなど）を講じましたか？
- 家庭裁判所への相談: 家庭裁判所に相談しましたか？
- 専門家への相談: 弁護士や司法書士などの専門家に相談しましたか？
- 代行業者への依頼: 代行業者に依頼する場合は、料金や業務内容を確認しましたか？
- 提出期限の確認: 相続放棄の申述期限（相続開始を知った日から3ヶ月以内）を確認しましたか？
このチェックリストを活用することで、手続きの漏れを防ぎ、スムーズに相続放棄を進めることができます。
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まとめ
今回のケースでは、93歳のおばあ様が相続放棄を希望しているものの、申述書の作成に困難をきたしています。このような場合、まずは家庭裁判所に相談し、代筆の状況を詳しく説明することが重要です。また、おばあ様の意思能力を確認するための措置を講じ、必要に応じて成年後見制度の利用も検討しましょう。専門家への依頼や、代行業者への依頼も、選択肢の一つです。相続放棄の手続きは複雑ですが、適切な対応をすることで、スムーズに手続きを進めることができます。
この記事が、あなたの相続放棄の手続きの一助となれば幸いです。
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