夫の病気・介護問題…専業主婦の私が守るべきものとは？専門家が教える、未来への備え
夫の病気・介護問題…専業主婦の私が守るべきものとは？専門家が教える、未来への備え
この記事では、経済的な不安を抱えながらも、家族を守りたいと願うあなたのために、専門家としての視点から、具体的なアドバイスと解決策を提示します。夫の事業の失敗、病気や介護のリスク、そして将来への不安。これらの複雑な問題に、どのように向き合い、最善の選択をしていくのか。法的知識、経済的な対策、そして心のケアまで、包括的に解説していきます。
赤字の事業をやめず、借金をし、生活費を一切入れない夫が、もし病気や障害、要介護状態になった時、専業主婦の妻（私）は、自分の結婚前の貯金や実親からの援助金を切り崩してでも夫の介護費用などを払わねばならなくなるのか？という事をお聞きしたく、こちらに来ました。
一言で言えない長い経緯がありますが、とにかく現時点で上記のような不安があります。
・夫は「売れば数千万になる品物はあり、売りに出しているが、売れないので現金が無い。だから家に金が入れられない」「自営をやめるのは嫌だ。50代で今更就職など無いし。」とのこと。
・妻としては、その品物は借金返済や税金の滞納支払いと事業をたたむ資金に使い、高望みせず適当な就職をして、当たり前に生活費を入れて小さく暮らしてくれれば、何とかまだこのままの結婚生活を維持してみるか…？とは思う。けれど、たぶん夫は抵抗するし、もう説得も疲れた。
・妻は心身の病気と、障害児の世話があり、現在働けていない。働けるようになっても短時間のパート程度で、一家の大黒柱には到底なれない。
・現在の生活費は、妻の親からの援助で細々とつないでいる。
・夫は子供好きで子供と遊ぶのは上手なので、子供はパパ好きで休日にパパと遊びたがる。
・子供はママも大好きでもちろんママも子供が大好き。休日のパパ遊び以外の遊び、世話や習い事、子供関係の付き合いなどの一切は母親が行っている。
私の中にもちろん離婚は視野にありますが、子供の強い要望と精神安定の為、一旦断念しました。
しかし、経済状況の悪化につれ、このままデメリットの方が大きくなるなら、今は同居を続けながら子供に伏せて籍だけでも分けて、妻子にかかる負荷を防がねばならないのではと思っています。
先日、市の無料法律相談で、事業の借金は保証人になっていない限り妻子がかぶる必要は無いこと、もし夫が急死したなどの際には、相続放棄すれば借金は相続されないことを、ざっとお聞きしました。
ただ、夫がもしも病気や要介護状態になった時は、妻である限りは何らかの責任がありますよね。時間切れでそこまで聞けませんでしたが。
同居を続けながら籍だけ分けることも、特に法律の問題は無く、そうしている人も多くいるということも聞きました。
ただ、これについては、現住居は私の所有物で夫の権利は入っていないことと、子供に知れず何気なく暮らすには、今まで通り食事や家事なども私が行い、結局は私への負担が大きく残ることになるだろうと思います。
その為、別途の新しい取り決め（住居費、食費、光熱費、養育費負担など）の必要性や、それが現実的に実行できるのかなども、問題だと思っています。
あと、同居を続けることにより、本来国から出る筈の手当てなども削られるならば、やはりもう居も分けて、子供にはある程度自由に会いに来れる状態を考える方向にすべきかとも思います。
色々な状況が整理されずに混乱中ですが、冒頭の疑問だけでも解消して、1歩ずつ考えを進めていければと思っています。
何卒お知恵をよろしくお願い致します。
1. 夫の借金と、あなたに降りかかる可能性のある法的責任
まず、ご相談内容で最も重要な点である「夫の借金」について、法的側面から整理しましょう。ご主人が事業で抱えた借金について、原則として、あなたが保証人になっていない限り、返済義務を負うことはありません。これは、万が一、ご主人が自己破産した場合でも同様です。しかし、いくつかの注意点があります。
- 保証人になっている場合: もしあなたがご主人の借金の保証人になっている場合、ご主人が返済できなくなった場合、返済義務はあなたに移ります。保証契約の内容をよく確認し、弁護士に相談することも検討しましょう。
- 相続放棄: ご主人が亡くなった場合、借金は相続の対象となります。相続を放棄すれば、借金の返済義務を免れることができます。ただし、相続放棄をするには、原則として、ご主人の死亡を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所への手続きが必要です。
- 連帯債務: 夫婦で共同して借金をした場合、連帯債務となり、どちらか一方が全額を返済する義務を負う可能性があります。
次に、ご主人が病気や要介護状態になった場合、あなたに何らかの法的責任が生じるのか、という点についてです。この場合、直接的な法的責任は限定的ですが、状況によっては間接的な影響が生じる可能性があります。
- 成年後見制度: ご主人が認知症などで判断能力を失った場合、成年後見制度を利用することになります。あなたが後見人になることも可能ですが、後見人はご主人の財産を管理し、ご主人のために使う義務を負います。
- 介護保険: ご主人が介護保険サービスを利用する場合、費用の一部を負担することになります。
- 扶養義務: 夫婦間には相互扶養義務があり、ご主人が経済的に困窮した場合、あなたは生活費を援助する義務を負う可能性があります。ただし、あなたの経済状況や、ご主人の収入状況によって、義務の程度は異なります。
2. 経済的な不安を解消するための具体的な対策
次に、経済的な不安を解消するための具体的な対策を考えていきましょう。現状では、ご主人の事業の不振、収入の不安定さ、あなたの就労困難という、三重の困難が重なっています。これらの問題を一つずつ解決していく必要があります。
2-1. 収入の確保
まず、収入を確保することが重要です。現状では、あなたの親からの援助に頼っている状況ですが、これは一時的なものであり、継続的な収入源を確保する必要があります。
- 就労支援: あなたが就労できる状況であれば、短時間のパートや在宅ワークなど、無理のない範囲で働くことを検討しましょう。障害をお持ちとのことですので、障害者向けの就労支援サービスを利用することも有効です。ハローワークや、地域の障害者就業・生活支援センターに相談してみましょう。
- 生活保護: 収入が極めて少ない場合、生活保護の受給を検討することも選択肢の一つです。生活保護は、生活に困窮している人々に対して、最低限の生活を保障する制度です。お住まいの地域の福祉事務所に相談し、受給の可否について確認しましょう。
- 夫の就労支援: ご主人が50代で就職が難しいと感じているようですが、諦めずに求職活動を続けるよう促しましょう。ハローワークや民間の転職エージェントを利用し、これまでの経験を活かせる仕事を探すことが重要です。また、職業訓練校に通うなど、スキルアップを図ることも有効です。
2-2. 支出の削減
収入を増やすと同時に、支出を削減することも重要です。無駄な出費を見直し、節約できる部分を見つけましょう。
- 家計の見直し: 家計簿をつけ、毎月の収入と支出を把握しましょう。固定費（家賃、光熱費、通信費など）を見直し、削減できる部分がないか検討しましょう。
- 住居費: 現在の住居があなたの所有物とのことですが、家賃や住宅ローンがないか確認しましょう。もし負担が大きいようであれば、より安い物件への引っ越しも検討しましょう。
- 食費: 食費を抑えるために、自炊を心がけ、まとめ買いや食材の冷凍保存などを活用しましょう。
- 保険の見直し: 生命保険や医療保険など、加入している保険の内容を見直し、必要以上に高い保険料を支払っていないか確認しましょう。
2-3. 資産の有効活用
ご主人が「売れば数千万になる品物」を持っているとのことですので、これを有効活用することも検討しましょう。
- 売却: 借金返済や生活費のために、品物を売却することを検討しましょう。ご主人が売却に抵抗する場合は、専門家（弁護士や税理士など）に相談し、客観的なアドバイスを受けることも有効です。
- 資産管理: 資産を適切に管理し、無駄遣いを防ぐことが重要です。専門家（ファイナンシャルプランナーなど）に相談し、資産運用や節税対策についてアドバイスを受けることも検討しましょう。
3. 離婚と、籍だけ分けることのメリット・デメリット
ご相談者様は、離婚を視野に入れつつも、子供の意向や精神的な安定を考慮して、一旦断念されたとのことです。しかし、経済状況の悪化に伴い、離婚や、籍だけ分けること（別居）について、改めて検討する必要があるかもしれません。
3-1. 離婚のメリット・デメリット
離婚のメリットとしては、
- 経済的な自立: 夫の借金や経済的な問題から解放され、自分の収入で生活できるようになる。
- 精神的な安定: 夫との関係から生じるストレスから解放され、精神的な安定を得られる。
- 新たな人生のスタート: 自分の人生を再構築し、新たな目標に向かって進むことができる。
一方、離婚のデメリットとしては、
- 子供への影響: 子供に精神的な負担を与えたり、養育環境が変わる可能性がある。
- 経済的な負担: 離婚後の生活費や養育費の確保が必要になる。
- 手続きの煩雑さ: 離婚協議や財産分与、親権などの手続きが必要となる。
離婚を検討する際には、これらのメリットとデメリットを比較検討し、ご自身と子供にとって最善の選択をすることが重要です。弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けることも有効です。
3-2. 籍だけ分けること（別居）のメリット・デメリット
籍だけ分けること（別居）のメリットとしては、
- 経済的なリスクの軽減: 夫の借金や、万が一の際の法的責任を回避できる可能性がある。
- 精神的な距離: 夫との距離を置き、精神的な負担を軽減できる。
- 子供への影響の軽減: 離婚という形を取らずに、子供への影響を最小限に抑えることができる。
一方、籍だけ分けることのデメリットとしては、
- 生活費の分担: 別居後の生活費や、子供の養育費について、別途取り決めが必要となる。
- 関係性の変化: 夫婦としての関係性が薄れ、コミュニケーションが不足する可能性がある。
- 周囲への説明: 親族や友人など、周囲への説明が必要になる場合がある。
籍だけ分けることを検討する際には、これらのメリットとデメリットを比較検討し、ご自身と子供にとって最善の選択をすることが重要です。弁護士に相談し、法的なアドバイスを受けることも有効です。
4. 子供への影響を最小限に抑えるために
ご相談者様は、子供の気持ちを第一に考え、離婚を躊躇されています。子供への影響を最小限に抑えるために、以下の点に注意しましょう。
- 子供とのコミュニケーション: 子供と積極的にコミュニケーションを取り、子供の気持ちを理解するように努めましょう。子供が不安を感じている場合は、その不安を取り除くように、優しく寄り添いましょう。
- 子供の意見を尊重: 子供の意見を尊重し、子供の気持ちを大切にしましょう。離婚や別居について、子供と話し合い、子供の意見を聞きながら、一緒に考えていくことが重要です。
- 親権と面会交流: 離婚する場合、親権者を決め、面会交流について取り決めます。子供が父親との面会を望む場合は、積極的に面会交流を促し、子供の成長をサポートしましょう。
- 専門家のサポート: 離婚や別居に伴う子供への影響について、専門家（カウンセラーや児童相談員など）に相談し、サポートを受けることも有効です。
5. 今後の具体的な行動ステップ
最後に、今後の具体的な行動ステップをまとめます。これらのステップを踏むことで、現状の不安を解消し、より良い未来を切り開くことができるでしょう。
- 専門家への相談: まずは、弁護士、ファイナンシャルプランナー、カウンセラーなど、専門家への相談を検討しましょう。それぞれの専門家から、法的、経済的、精神的なアドバイスを受けることができます。
- 現状の把握: 夫の借金の詳細、資産状況、収入と支出、あなたの就労状況など、現状を正確に把握しましょう。
- 情報収集: 離婚、別居、生活保護、就労支援など、必要な情報を収集しましょう。インターネット検索や、専門家への相談を通じて、情報を集めることができます。
- 計画の立案: 収集した情報をもとに、具体的な計画を立てましょう。離婚、別居、就労、生活費の確保など、それぞれの項目について、具体的な目標と、それを達成するためのステップを明確にしましょう。
- 実行と評価: 計画を実行し、定期的に評価を行いましょう。計画通りに進んでいるか、問題点はないか、改善点はないかなどを確認し、必要に応じて計画を修正しましょう。
- 子供との対話: 子供と積極的にコミュニケーションを取り、子供の気持ちを理解するように努めましょう。子供の意見を聞きながら、一緒に考えていくことが重要です。
困難な状況ではありますが、諦めずに、一つずつ問題を解決していくことで、必ず未来を切り開くことができます。あなたと子供たちが、笑顔で過ごせる日が来ることを心から願っています。
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