脳血管性認知症の父との別れが怖い…介護と仕事の両立、心の葛藤を乗り越えるには？
脳血管性認知症の父との別れが怖い…介護と仕事の両立、心の葛藤を乗り越えるには？
この記事では、脳血管性認知症を患うお父様の介護と、それを取り巻く様々な感情的な葛藤を抱えるあなたへ、具体的なアドバイスと心の支えとなる情報を提供します。介護と仕事の両立、そして将来への不安を和らげ、少しでも前向きな気持ちで日々を過ごせるよう、一緒に考えていきましょう。
父が小脳出血で三度倒れており、脳血管性認知症です。医師からは、脳萎縮もあると言われています。小脳出血二度目までは、身の回りのことすべて自分でこなしていましたが、さすがに三度目はほぼ寝たきり、介助で短い距離、車椅子への移乗などで歩ける程度です。
三回目に倒れた時、水頭症でドレナージで水を抜いています。
現状、ある程度の会話はできますが、聞き取れなかったり、会話の応対でぜんぜん違うことを言うことがあります。
嚥下障害がありますが、今日まで食事は口からと経管からと併用しております。ただ、ここ数日喉が苦しいと自分から食事をとらなくなってきています。咽込みも激しくなってきているので、経管だけにしようと考えています。
私は一人っ子で、母を早くに亡くしており、私が就職する以前から、父が一人で育ててくれました。
介護して四年が過ぎましたが、ここ最近、日に日に弱っていく父を見るのがとても辛いです。
この数日間で、自分の名前も言えなくなり、昼夜の区別もつかなくなってきているようです。
病院に行っても、一年前の頭部CT画像とたいした変化もなく、現状はこれといって手の打ちようがなく、食事に気を付けて、血圧管理するしかないと言われました。
話が支離滅裂になってしまいましたが、脳血管性認知症と、脳萎縮を併発している父は、いつの日か死を迎えるまでに、今後どのような過程を辿っていくのでしょうか？
父がいなくなったら真の家族がいなくなってしまいます。
父を失いたくない…
父の死が怖いです。
考えただけで涙が出てきます。
お父様の介護、本当にお疲れ様です。そして、今抱えていらっしゃる不安や悲しみ、痛いほど伝わってきます。一人で介護をしながら、仕事もこなし、さらに将来への不安を抱えるあなたの心境を思うと、胸が締め付けられます。この記事では、あなたの心の負担を少しでも軽減できるよう、具体的なアドバイスと心の支えとなる情報を提供します。
1. 脳血管性認知症と脳萎縮の進行について
まず、脳血管性認知症と脳萎縮の進行について、医学的な視点から解説します。この病状がどのように進行し、どのような症状が現れるのかを知ることは、今後の見通しを立て、心の準備をする上で非常に重要です。
1-1. 脳血管性認知症の進行過程
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることで脳の組織が損傷し、認知機能が低下する病気です。その進行は、個々の患者さんの状態や、原因となる脳血管の損傷の程度によって異なりますが、一般的には以下のような段階を辿ることがあります。
- 初期段階: 記憶障害、注意力の低下、判断力の低下などが現れ始めます。日常生活に支障をきたすことは少ないですが、些細なミスが増えたり、以前できていたことができなくなることがあります。
- 中期段階: 症状が進行し、記憶障害が顕著になります。時間や場所、人に対する認識が曖昧になり、見当識障害が現れます。性格の変化や感情の不安定さも見られるようになります。日常生活での自立が難しくなり、介護が必要になる場面が増えます。
- 後期段階: 認知機能が著しく低下し、言葉でのコミュニケーションが困難になります。身体機能も低下し、寝たきりになることもあります。嚥下障害が進み、食事の摂取が困難になるなど、介護の負担が非常に大きくなります。
1-2. 脳萎縮の影響
脳萎縮は、脳の組織が減少する現象です。脳血管性認知症と脳萎縮が併発すると、認知機能の低下が加速し、様々な症状が悪化する可能性があります。脳萎縮が進むと、
- 認知機能の悪化: 記憶力、思考力、判断力などがさらに低下します。
- 身体機能の低下: 運動機能やバランス感覚が衰え、転倒しやすくなるなど、日常生活に支障をきたすようになります。
- 精神症状の悪化: うつ病や不安、焦燥感などの精神症状が悪化し、介護者の負担が増大します。
お父様の現在の状況を考えると、中期から後期にかけての段階にあると考えられます。症状の進行は、ご本人のQOL（Quality of Life：生活の質）を著しく低下させるだけでなく、介護者の心身への負担も非常に大きくなります。しかし、適切なケアとサポートがあれば、症状の進行を遅らせ、ご本人と介護者の生活の質を向上させることは可能です。
2. 今後の介護とケアについて
次に、今後の介護とケアについて、具体的なアドバイスをします。お父様の状態に合わせた適切なケアを提供し、少しでも安楽に過ごせるようにするためのヒントです。
2-1. 食事と栄養管理
嚥下障害が進み、食事の摂取が困難になっているとのことですので、経管栄養への移行を検討されているのは、非常に賢明な判断です。経管栄養は、栄養を確実に摂取するための有効な手段です。しかし、経管栄養に移行する際には、以下の点に注意が必要です。
- 医師や専門家との連携: 経管栄養の方法や栄養剤の種類などについて、医師や栄養士とよく相談し、適切な指導を受けてください。
- 誤嚥性肺炎の予防: 経管栄養であっても、誤嚥性肺炎のリスクはゼロではありません。口腔ケアを徹底し、誤嚥を防ぐための体位を工夫するなど、細心の注意を払ってください。
- 本人のQOLへの配慮: 食事の楽しみを奪うことにならないよう、可能な範囲で、口から食べられるものを少量与えるなど、本人のQOLに配慮したケアを心がけてください。
2-2. コミュニケーションの工夫
会話が聞き取りにくくなったり、話が噛み合わなくなったりすることは、脳血管性認知症の症状としてよく見られます。しかし、コミュニケーションを諦める必要はありません。以下の工夫を試してみてください。
- ゆっくりと、分かりやすい言葉で話す: 早口言葉や難しい言葉は避け、ゆっくりと、短く、分かりやすい言葉で話しかけましょう。
- 視覚的な情報も活用する: 写真や絵を見せたり、身振り手振りを交えたりすることで、言葉だけでは伝わりにくい情報を補完しましょう。
- 本人の気持ちに寄り添う: 話の内容が理解できなくても、本人の気持ちに寄り添い、共感する姿勢を示すことが大切です。「つらいね」「寂しいね」など、感情を言葉で伝えてあげましょう。
- 回想法を活用する: 昔の思い出話をする「回想法」は、記憶を刺激し、コミュニケーションを促す効果があります。写真や音楽などを使って、一緒に思い出を振り返ってみましょう。
2-3. 精神的なケア
認知症の患者さんは、不安や混乱を感じやすいものです。精神的なケアも非常に重要です。以下の点に注意して、心のケアを行いましょう。
- 安心できる環境作り: 落ち着ける環境を整え、安心感を与えましょう。
- 日中の活動: 適度な運動やレクリエーションを取り入れ、日中の活動量を増やすことで、夜間の不眠や徘徊を軽減することができます。
- 専門家への相談: 精神科医や認知症専門医に相談し、薬物療法やカウンセリングなどのサポートを受けることも検討しましょう。
3. 介護者の心のケア
介護は、心身ともに大きな負担がかかるものです。介護者の心のケアも非常に重要です。一人で抱え込まず、様々なサポートを活用しましょう。
3-1. 休息とリフレッシュ
介護から離れる時間を作り、心身を休ませることが大切です。以下のような方法で、休息とリフレッシュを図りましょう。
- レスパイトケアの利用: 短期間、専門の施設に入所してもらい、介護から解放される時間を作りましょう。
- 家族や友人のサポート: 家族や友人に協力を仰ぎ、定期的に介護を交代してもらいましょう。
- 趣味や休息時間の確保: 自分の時間を作り、趣味を楽しんだり、リラックスできる時間を持ちましょう。
3-2. 相談できる相手を持つ
一人で悩まず、相談できる相手を持つことが大切です。以下のような相談先を活用しましょう。
- 介護支援専門員（ケアマネージャー）: 介護に関する様々な相談に乗ってくれ、適切なサービスを紹介してくれます。
- 地域の相談窓口: 市町村の窓口や地域包括支援センターなど、介護に関する様々な相談に乗ってくれます。
- 家族や友人: 悩みを打ち明け、話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
- 専門家への相談: 精神科医やカウンセラーに相談し、専門的なアドバイスを受けることも有効です。
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3-3. 仕事との両立
介護と仕事の両立は、非常に難しい課題です。しかし、諦めずに、以下のような工夫をすることで、両立を目指すことができます。
- 会社の制度の活用: 介護休業や時短勤務など、会社の制度を積極的に活用しましょう。
- 周囲への理解を求める: 上司や同僚に、介護の状況を説明し、理解と協力を求めましょう。
- 仕事の効率化: 優先順位をつけ、効率的に仕事を進めるように心がけましょう。
- 転職も視野に: 介護と仕事の両立が困難な場合は、介護に理解のある職場への転職も検討しましょう。
4. 悲しみと向き合う
お父様の死に対する恐怖や悲しみは、当然のことです。これらの感情を無理に抑え込まず、受け入れることが大切です。以下のような方法で、悲しみと向き合いましょう。
- 感情を表現する: 悲しい時は、泣いたり、誰かに話したりして、感情を表現しましょう。
- 思い出を大切にする: お父様との思い出を振り返り、写真や手紙などを整理することで、心の整理をしましょう。
- グリーフケア: 悲しみを乗り越えるための専門的なサポート（グリーフケア）を受けることも検討しましょう。
- 時間をかける: 悲しみは、時間が経つにつれて癒えていくものです。焦らず、自分のペースで、悲しみと向き合いましょう。
5. まとめ：未来への希望を抱いて
脳血管性認知症と脳萎縮を併発したお父様の介護は、非常に困難な道のりです。しかし、適切なケアとサポートがあれば、ご本人と介護者の生活の質を向上させることは可能です。そして、何よりも大切なのは、あなた自身の心の健康を守ることです。一人で抱え込まず、様々なサポートを活用し、未来への希望を抱いて、前向きに歩んでいきましょう。
お父様との残された時間を大切に、そしてあなた自身も大切にしてください。あなたの努力は、必ず報われます。応援しています。
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