特養の対応に納得できない…介護施設とのトラブルを解決する3つのステップ
特養の対応に納得できない…介護施設とのトラブルを解決する3つのステップ
この記事では、特別養護老人ホーム(特養)に入所しているご家族が、施設の対応に疑問を感じ、どのように対処すれば良いのか悩んでいる状況を想定し、具体的な解決策を提示します。介護施設とのコミュニケーション、医療連携、そして入居者の権利を守るための具体的なステップを解説します。介護業界の現状を踏まえつつ、専門家の視点も交えながら、問題解決への道筋を示します。
祖母が特養に入所して半年ほど経った者です。その施設の対応が腑に落ちず、皆様にご意見を伺いたく存じます。
半年ほど前に、認知症あり要介護度4の祖母を地元の特別養護老人施設に入所させました。スタッフの雰囲気も良さそうで、担当医がいるとのことで安心していたのですが、最初の契約説明時に「担当医がいるのでこれまでかかっていた病院から一括にしてもらっている」と言われました。そうするのがルールだという無言の圧力もあり、まあ仕方ないかと思いその通りにしました。
ところが、しばらくしてはっきりしたことは、その医者は終末期を迎える高齢者には抗生剤の投与クラス以上の医療は必要ないとの考えらしく、認知症の祖母は自分の状態を認識することはできないと思うのですが、点滴するにしても本人が嫌と言えばやらない方針で進めたいと言い張るので、その考えも納得いかないし、これはきちんと看る気がないな、と感じて話し合いを行ったわけです。まあ特養はそういう医療施設ではないから理解できるんですが、その医者と話して、延命処置など必要ないし、なにがなんでも生かしてくれと言ってるわけではなく風邪とか回復可能な範囲の一般常識的な医療を受けたいって伝えたところ、その担当医は、具合が悪くなるとこちらに連絡をくれてこちらの判断で他の病院へ通院とか入院のかたちを認めてくれたので、それ以降はその形をとっています。
何回かそうやって他の病院で受診して、入院も一回あったのですが、今回それが問題行為みたいに職員に言われたようです。医者はOKしているのに、職員がいちゃもんをつけてきてる状態なわけです。施設の本音としてはルールに従わず手がかかる(病院への送迎など)から困ってるということでしょう。
こういった施設はまだ数が足りていなく、頭を下げて文句も言わず「お願いします!」と平身低頭で家族から言われるのに慣れてるんでしょうか。
祖母は87歳、認知症で要介護度4であり、高齢で終末期なのは間違いないですが、誤嚥性の肺炎にこの数年でもう3度もかかりましたが、適切な医療を受けるとすんなり回復できるほどの体力はあります。人口呼吸器とか、無理な延命は本人が苦しいだけだろうと思うのでその意思がない旨は伝えてあります。
特養の職員側が、入所者の不調時の他病院への受診レベルの医療を妨げ、制限することは許されるものなのでしょうか?(現在その施設では血圧と体温、投薬管理まで)対処方法をご教授願います。
はじめに:状況の整理と問題の本質
ご相談ありがとうございます。お祖母様の介護について、様々なご心労があることと推察いたします。特養に入所されているお祖母様の医療体制や、施設側の対応について疑問を感じ、不安な気持ちでいらっしゃるのですね。まずは、現状を整理し、問題の本質を明確にすることから始めましょう。
ご相談内容を拝見すると、主な問題点は以下の3点に集約されます。
- 医療方針への不信感: 施設の担当医の医療方針が、お祖母様の状態やご家族の意向と合致しない。特に、回復可能な病状に対する積極的な治療を拒否する姿勢が見られる。
- 施設側の対応への不満: 担当医が他院への受診を許可しているにも関わらず、施設職員がそれを問題視し、制限しようとしている。これは、施設の運営上の都合(手間やコスト)が優先されているように感じられる。
- コミュニケーション不足と不信感の増大: 施設側との十分なコミュニケーションが取れていないため、ご家族の不安や不信感が募っている。施設の「言いなり」にならざるを得ない状況も、不満を助長している。
これらの問題は、単に個々の出来事として捉えるのではなく、施設とご家族との間のコミュニケーション不足、医療連携の不備、そして入居者の権利に対する意識の欠如といった、より根本的な問題の表れであると考えられます。以下、具体的な解決策をステップごとに解説していきます。
ステップ1:情報収集と現状の把握
問題を解決するためには、まず現状を正確に把握することが重要です。以下の点について、情報収集を行いましょう。
1. 契約内容の確認
入所契約書を改めて確認し、医療に関する項目や、緊急時の対応についてどのような規定があるのかを確認しましょう。特に、
- 医療機関との連携に関する記述
- 緊急時の対応に関する記述
- 家族への連絡義務に関する記述
これらの項目に注目し、施設の義務と、ご家族の権利を確認します。
2. 施設の運営体制の確認
施設の運営体制についても、可能な範囲で情報を収集しましょう。具体的には、
- 施設の理念や方針
- 医師の専門分野や、非常勤か常勤かなどの勤務体制
- 看護師や介護士の配置人数
- 過去の医療トラブルの有無
などを確認します。これらの情報は、施設のウェブサイトや、自治体の介護サービス情報公表システムなどで入手できる場合があります。
3. 記録の整理
これまでの経緯を時系列で整理し、記録として残しましょう。具体的には、
- いつ、どのような状況で、どのような対応があったのか
- 誰が、どのような発言をしたのか
- その結果、どのような問題が発生したのか
などを記録します。この記録は、施設との話し合いや、必要に応じて第三者機関への相談をする際に、重要な証拠となります。
ステップ2:施設とのコミュニケーションと交渉
情報収集が終わったら、施設とのコミュニケーションを図り、問題解決に向けた交渉を進めましょう。ここでは、具体的なコミュニケーションの進め方と、交渉のポイントを解説します。
1. 施設長との面談を申し込む
まずは、施設長に面談を申し込み、現状に対するご自身の懸念を率直に伝えましょう。面談の際には、事前に準備した記録や、確認した契約内容に基づいて、具体的に話を進めることが重要です。面談の目的は、
- ご自身の不安や不満を伝えること
- 施設の対応に対する改善を求めること
- 今後の連携体制について話し合うこと
の3点です。感情的にならず、冷静かつ客観的に、事実を伝えるように心がけましょう。
2. 担当医との連携
担当医との連携も重要です。担当医に、ご自身の考えや、お祖母様の病状について詳しく説明し、今後の治療方針について話し合いましょう。担当医が、ご家族の意向を理解し、協力的な姿勢を示してくれることが理想です。もし、担当医とのコミュニケーションがうまくいかない場合は、
- 他の医師への相談
- セカンドオピニオンの取得
なども検討しましょう。
3. 記録に基づいた具体的な改善要求
施設との話し合いでは、記録に基づき、具体的な改善を求めましょう。例えば、
- お祖母様の体調が悪化した際に、速やかに他の医療機関と連携すること
- ご家族への情報提供を徹底すること
- 医療方針について、ご家族との合意形成を図ること
などを要求します。改善要求は、文書で記録し、施設側に提出することも有効です。
4. 介護支援専門員(ケアマネジャー)との連携
ケアマネジャーは、入居者の生活を支援する専門家であり、施設との橋渡し役としても重要な役割を担います。ケアマネジャーに相談し、
- 施設との交渉に同席してもらう
- 今後のケアプランについて相談する
- 介護保険に関するアドバイスを受ける
など、積極的に連携を図りましょう。ケアマネジャーは、客観的な視点から、問題解決をサポートしてくれます。
ステップ3:権利の保護と、必要に応じた外部機関への相談
施設との交渉がうまくいかない場合や、より専門的なアドバイスが必要な場合は、外部機関への相談も検討しましょう。ここでは、相談できる機関や、権利を保護するための具体的な方法を解説します。
1. 弁護士への相談
施設の対応が不当であり、法的な問題があると思われる場合は、弁護士に相談しましょう。弁護士は、
- 契約内容の解釈
- 施設側の法的責任の有無
- 損害賠償請求の可能性
などについて、専門的なアドバイスをしてくれます。また、弁護士に依頼することで、施設との交渉を有利に進めることができる場合があります。
2. 行政への相談
介護保険に関する問題や、施設の運営に関する問題については、行政(市区町村の介護保険担当窓口や、都道府県の介護サービス事業者指導監査課など)に相談することができます。行政は、
- 施設の指導監督
- 苦情処理
などを行い、問題解決を支援してくれます。また、行政に相談することで、施設側に改善を促すことができます。
3. 第三者機関への相談
介護サービスに関する苦情を専門的に受け付ける第三者機関(介護サービスに関する苦情処理委員会など)も存在します。これらの機関は、
- 中立的な立場で、問題解決を支援
- 施設との話し合いを仲介
などを行います。第三者機関に相談することで、客観的な意見を聞くことができ、問題解決の糸口が見つかる場合があります。
4. 権利擁護の意識を持つ
入居者とその家族には、様々な権利が保障されています。これらの権利を理解し、積極的に主張することが重要です。例えば、
- 適切な医療を受ける権利
- プライバシーが保護される権利
- 尊厳が尊重される権利
- 情報公開を求める権利
などがあります。これらの権利を侵害された場合は、積極的に声を上げ、権利を保護するための行動を取りましょう。
もっとパーソナルなアドバイスが必要なあなたへ
この記事では一般的な解決策を提示しましたが、あなたの悩みは唯一無二です。
AIキャリアパートナー「あかりちゃん」が、LINEであなたの悩みをリアルタイムに聞き、具体的な求人探しまでサポートします。
無理な勧誘は一切ありません。まずは話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなるはずです。
まとめ:問題解決への道筋
特養の対応に納得できないという状況は、ご家族にとって非常に心苦しいものです。しかし、適切な対応を取ることで、問題解決への道筋は必ず開けます。以下に、今回の記事の要点をまとめます。
- 現状の把握: まずは、契約内容の確認、施設の運営体制の把握、そして記録の整理を行い、現状を正確に把握しましょう。
- コミュニケーションと交渉: 施設長との面談、担当医との連携、ケアマネジャーとの連携を通じて、施設とのコミュニケーションを図り、問題解決に向けた交渉を進めましょう。
- 権利の保護と外部機関への相談: 弁護士、行政、第三者機関への相談も検討し、入居者の権利を保護するための行動を取りましょう。
介護は、ご家族にとっても、入居者にとっても、非常にデリケートな問題です。しかし、諦めずに、積極的に行動することで、より良い環境を築くことができます。この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
付録:介護施設とのコミュニケーションを円滑にするためのヒント
最後に、介護施設とのコミュニケーションを円滑にするためのヒントをいくつかご紹介します。
- 定期的な面会: 定期的に施設を訪問し、入居者の様子を確認し、職員とのコミュニケーションを図りましょう。
- 感謝の気持ちを伝える: 職員への感謝の気持ちを伝えることで、良好な関係を築くことができます。
- 記録の共有: 入居者の状態や、日々の変化について、記録を共有することで、情報共有をスムーズに行いましょう。
- 疑問点は積極的に質問する: 疑問点があれば、遠慮なく質問し、納得のいく説明を受けましょう。
- 建設的な意見交換: 施設側の意見も聞き入れ、建設的な意見交換を心がけましょう。
これらのヒントを参考に、施設との良好な関係を築き、入居者にとってより良い環境を整えていきましょう。
“`