介護施設の看護師が抱える注射の診療報酬請求に関する疑問を徹底解説！
介護施設の看護師が抱える注射の診療報酬請求に関する疑問を徹底解説！
この記事では、介護老人福祉施設で働く看護師の方々が直面する、注射に関する診療報酬請求の疑問について、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。特に、骨粗しょう症治療薬やインスリン、リウマチ治療薬などの注射について、費用請求の可否、指示書の必要性など、日々の業務で役立つ情報を提供します。
施設で行われる注射の診療報酬請求について質問です。
介護老人福祉施設にて事務をしております。
最近は骨粗しょう症の注射（フォルテオ、1日1回24か月）をされている方が増えてきました。
それに限らず、インシュリンやリウマチの注射等もありますが、これらを施設看護師が行った場合の費用請求はどうなるのでしょうか？
（在宅であれば自己注射や家族ができるレベルの処置です。）
「特別養護老人ホーム等における療養の給付（医療）の取り扱いについて」を参照したところ 8、医療行為については診療報酬を算定できない。と書かれています。
また、施設の協力医療機関は内科であり、体調不良時の点滴等はそこで行うので算定も可能だと言うのは理解できます。しかし、骨粗しょう症やリウマチは外部の専門病院から薬剤が出ており、施設看護師は処置を行っているだけになりますがこの場合の薬剤料も保険請求されてはいけないことになるのでしょうか？そして外部の医療機関から出された注射は指示書がないと指示が曖昧に感じます。指示書をもらう必要があるのでしょうか？
まとめますと
① 特養にて施設看護師が行う注射の診療報酬を算定できるのか。
② 外部医療機関からの注射の薬剤等費用は徴収されていて良いのか。
③ 外部医療機関から注射が出された場合は指示書が必要か。
介護施設で働く看護師の皆様、日々の業務、本当にお疲れ様です。特に、入居者様の健康管理は多岐にわたり、注射一つとっても、その費用請求や指示書の取り扱いは複雑で、悩ましい問題ですよね。この記事では、介護施設における注射に関する診療報酬請求について、具体的な疑問にお答えし、日々の業務をスムーズに進めるための情報を提供します。
1. 介護施設での注射、診療報酬は算定できる？
まず、最も重要な点から見ていきましょう。介護施設で看護師が行う注射について、診療報酬を算定できるのか？という疑問です。
結論から言うと、原則として、介護保険施設（特別養護老人ホームなど）では、医療行為に該当する注射の診療報酬を算定することはできません。これは、「特別養護老人ホーム等における療養の給付（医療）の取り扱いについて」という通知にも明記されています。
しかし、例外もあります。例えば、協力医療機関の医師の指示のもとに行われる点滴や、緊急時の対応などは、診療報酬の算定が可能な場合があります。ただし、この場合も、詳細なルールや条件が定められていますので、注意が必要です。
では、具体的にどのようなケースで診療報酬が算定できないのでしょうか？
- 定期的な注射（骨粗しょう症治療薬、インスリンなど）： 外部の医療機関から処方された薬剤を、施設看護師が指示通りに注射する場合、診療報酬を算定することはできません。これは、これらの注射が、在宅医療でも自己注射や家族による対応が可能であると見なされるためです。
- リウマチ治療薬の注射： 外部の医療機関から処方されたリウマチ治療薬を、施設看護師が注射する場合も、同様に診療報酬の算定は原則としてできません。
これらの場合、注射そのものに対する費用は、介護保険の費用に含まれると考えられます。つまり、別途診療報酬を請求することはできません。
2. 外部医療機関からの注射、薬剤料の請求は？
次に、外部医療機関から処方された薬剤料の請求について見ていきましょう。施設看護師が注射を行う場合、薬剤料はどのように扱われるのでしょうか？
結論としては、外部医療機関から処方された薬剤料は、原則として、入居者様またはその家族に請求することができます。これは、薬剤が医療行為の一部ではなく、治療に必要な医薬品として提供されるためです。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 薬剤の管理： 薬剤の管理は、施設側の責任において適切に行う必要があります。薬剤の保管方法、使用期限の管理、廃棄方法など、細かく規定されています。
- 情報提供： 薬剤に関する情報は、入居者様またはその家族に適切に提供する必要があります。薬剤名、用法・用量、副作用、注意点などを説明し、理解を得ることが重要です。
- 請求方法： 薬剤料の請求方法は、施設によって異なります。事前に、入居者様またはその家族に説明し、同意を得ておくことが望ましいでしょう。
このように、薬剤料の請求は可能ですが、その管理や情報提供には細心の注意を払う必要があります。
3. 外部医療機関からの注射、指示書の必要性
最後に、外部医療機関から注射が出された場合の指示書の必要性について解説します。これは、安全な医療行為を行う上で非常に重要なポイントです。
結論として、外部医療機関から注射が出された場合、原則として、医師の指示書が必要です。指示書は、注射の種類、投与量、投与方法、投与時間など、詳細な指示を明記したもので、医療行為の安全性を確保するために不可欠です。
指示書がない場合、施設看護師は、医師の指示なしに注射を行うことはできません。これは、医療行為の法的責任を明確にするためでもあります。
指示書の取得方法としては、以下の方法が考えられます。
- 協力医療機関への依頼： 施設の協力医療機関に、指示書の作成を依頼します。
- 外部医療機関への依頼： 外部の専門病院やクリニックに、指示書の作成を依頼します。
- 診療情報提供書： 診療情報提供書（紹介状）に、注射に関する指示が記載されている場合もあります。
指示書は、必ず原本または原本のコピーを保管し、注射の実施記録と合わせて管理する必要があります。また、指示内容に変更があった場合は、速やかに新しい指示書を入手し、記録を更新することが重要です。
4. 具体的な事例と対応策
ここからは、具体的な事例を参考に、対応策を考えていきましょう。
事例1：骨粗しょう症治療薬（フォルテオ）の注射
- 状況： 外部の専門病院からフォルテオの処方を受け、施設看護師が毎日注射を行っている。
- 問題点： 診療報酬を算定できないため、薬剤料のみを入居者様に請求している。指示書がないため、注射の指示が曖昧に感じられる。
- 対応策：
- 外部の専門病院に、注射に関する指示書の作成を依頼する。
- 指示書に基づき、注射の実施記録を詳細に記録する。
- 薬剤料の請求方法について、入居者様またはその家族に説明し、理解を得る。
事例2：インスリン注射
- 状況： 糖尿病の入居者様に対し、医師の指示のもと、施設看護師がインスリン注射を行っている。
- 問題点： 診療報酬を算定できない。インスリンの種類や投与量の変更があった場合、指示の確認が煩雑。
- 対応策：
- 定期的に、医師と連携し、インスリンの投与計画を確認する。
- インスリンの種類や投与量に変更があった場合、必ず医師の指示書を更新してもらう。
- インスリン注射の実施記録を詳細に記録する。
これらの事例からもわかるように、指示書の取得と、正確な記録が非常に重要です。また、医師との連携を密にし、疑問点があれば、すぐに確認することが大切です。
5. 診療報酬請求に関する注意点
診療報酬請求を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- 最新情報の確認： 診療報酬に関するルールは、頻繁に変更される可能性があります。厚生労働省の通知や関連情報を常に確認し、最新の情報を把握するようにしましょう。
- 記録の重要性： 注射の実施記録は、正確かつ詳細に記録しましょう。記録には、注射の種類、投与量、投与時間、実施者の氏名、患者様の状態などを記載します。
- 疑問点の解消： 診療報酬請求や医療行為に関する疑問点があれば、医療保険事務に詳しい専門家や、地域の医師会などに相談しましょう。
- コンプライアンスの遵守： 診療報酬に関するルールを遵守し、不正請求は絶対に行わないようにしましょう。
これらの注意点を守り、適正な診療報酬請求を行うことが、介護施設の信頼性を高め、入居者様に質の高い医療を提供することにつながります。
6. 介護施設における医療連携の重要性
介護施設における医療連携は、入居者様の健康管理において、非常に重要な役割を果たします。特に、外部の医療機関との連携は、円滑な医療提供体制を構築するために不可欠です。
医療連携を強化するためには、以下の点を意識しましょう。
- 協力医療機関との連携： 協力医療機関との定期的な情報交換や、合同での研修会などを開催し、連携を深めましょう。
- 情報共有の徹底： 入居者様の健康状態や治療内容に関する情報を、医療機関と積極的に共有しましょう。
- 多職種連携： 医師、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士など、多職種が連携し、チームとして入居者様のケアに取り組みましょう。
- 緊急時の対応： 緊急時の対応について、事前に医療機関と連携し、対応手順を明確にしておきましょう。
医療連携を強化することで、入居者様の健康状態をより良く管理し、安心して生活できる環境を提供することができます。
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7. まとめ：介護施設での注射に関する診療報酬請求と対応
この記事では、介護施設で働く看護師の皆様が抱える、注射に関する診療報酬請求の疑問について、詳しく解説しました。主なポイントをまとめます。
- 診療報酬： 原則として、介護保険施設では、医療行為に該当する注射の診療報酬は算定できません。
- 薬剤料： 外部医療機関から処方された薬剤料は、入居者様またはその家族に請求できます。
- 指示書： 外部医療機関から注射が出された場合、原則として、医師の指示書が必要です。
- 記録： 注射の実施記録は、正確かつ詳細に記録しましょう。
- 医療連携： 医療機関との連携を強化し、多職種連携を推進しましょう。
介護施設での注射に関する診療報酬請求は、複雑で、悩ましい問題です。しかし、この記事で解説した内容を参考に、正しい知識を身につけ、適切な対応をすることで、日々の業務をスムーズに進めることができます。そして、入居者様の健康と安全を守り、質の高いケアを提供することにつながります。
この記事が、介護施設で働く看護師の皆様のお役に立てれば幸いです。日々の業務、本当にお疲れ様です。これからも、入居者様の健康と笑顔のために、頑張ってください！
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