介護施設での対応に疑問を感じています…私ができることは?
介護施設での対応に疑問を感じています…私ができることは?
介護の現場で13年間勤務されている方からのご相談ですね。現在の職場で、100歳を超える入居者の食事と水分摂取に関する問題、そして上司の対応に疑問を感じているとのこと。長年の経験からくる問題意識と、目の前の入居者を思う気持ちが伝わってきます。今回の記事では、あなたの抱える疑問を紐解き、より良い方向へ進むための具体的なアドバイスを提供します。
今勤めている介護施設へ疑問があります。
私は13年間介護の現場で働いています。
特養・デイ・ショートステイ(同施設で、異動により経験してます。)
ショートステイは2か所目でいま働いている施設です。
今のショートステイで、100歳を超えるお年寄りが、この10日間食事も一日一食食べるのがやっとで
水分補給も一日トータル150~500cc程度の摂取量です。
ナースによる医療処置(点滴などの保液)も一切しない
何度も上司には報告をしていますが、上司は「家族の方がいつ亡くなっても仕方がない。覚悟はしています。そちらの施設でお願いします。」
と言われたので、どうしようもない。と返答されるだけでした。
今までの介護施設ではすぐに病院に行ったりするのですが、こんな対応をする施設は初めてで、
危険な状態であってもそのまま見守るだけ。というのは納得がいきません。
みなさんの施設ではこういう事がよくあるのでしょうか?
介護士として、できるだけ経口摂取できるようにすすめますが、本人が嫌がるとどうしてもはき出してしまったりするので
限界があります・・・
1. 現状の整理と問題点の明確化
まず、現状を整理し、問題点を具体的に洗い出しましょう。相談者様の状況を詳細に見ていくと、以下の点が問題として挙げられます。
- 入居者の状態: 100歳を超える高齢者の食事摂取量の低下、水分摂取量の減少。
- 医療処置の欠如: 点滴などの医療処置が一切行われていない。
- 上司の対応: 状況を報告しても、積極的な対応が見られない。
- 倫理的・専門的な葛藤: 介護士として、入居者の健康状態に対する懸念と、現状への納得のいかなさ。
これらの問題は、入居者の健康と安全を脅かすだけでなく、介護士としての倫理観や専門性を揺るがす可能性があります。まずは、これらの問題を一つずつ丁寧に見ていきましょう。
2. 施設側の対応と背景の考察
上司の対応から、「家族の覚悟」という言葉が出てきていることから、施設側が「看取り」の段階に入っている可能性が考えられます。しかし、それはあくまで推測であり、正確な判断のためには、さらに情報を集める必要があります。
施設側の対応の背景には、以下のような要因が考えられます。
- 看取りの方針: 施設全体として、看取りを積極的に行っている場合、医療介入を最小限に抑える方針を取ることがあります。
- 家族の意向: 家族が積極的な治療を望んでいない場合、施設は家族の意向を尊重することがあります。
- 医療体制: 施設内の医療体制が整っていない場合、医療介入が難しくなることがあります。
- 人員不足: 介護士や看護師の人員不足により、十分なケアが行き届かない場合があります。
これらの要因を考慮しつつ、客観的に状況を分析することが重要です。
3. 介護士としてできること: 具体的なアクションプラン
現状を打開するために、介護士としてできることはたくさんあります。以下に、具体的なアクションプランを提案します。
3-1. 情報収集と記録の徹底
まずは、入居者の状態に関する情報を詳細に収集し、記録を徹底しましょう。具体的には、以下の点を記録します。
- 食事摂取量: 毎食の摂取量、食事形態、摂取にかかる時間などを記録します。
- 水分摂取量: 1日の水分摂取量、水分摂取の種類(水、お茶、ジュースなど)を記録します。
- 排泄状況: 便の回数、量、性状、尿量などを記録します。
- バイタルサイン: 体温、血圧、脈拍、呼吸数などを定期的に測定し、記録します。
- 本人の訴え: 食欲不振、倦怠感、痛みなど、本人の訴えを詳細に記録します。
- 観察記録: 皮膚の状態、浮腫の有無、呼吸の状態など、観察できる情報を記録します。
これらの記録は、客観的なデータとして、上司や医師に状況を伝える際に役立ちます。また、記録を詳細に行うことで、入居者の状態の変化にいち早く気づくことができます。
3-2. 関係者との連携
次に、関係者との連携を強化しましょう。具体的には、以下の関係者との連携を図ります。
- 上司: 記録に基づき、現状の問題点と改善策を具体的に提案します。上司の理解と協力を得るために、定期的な報告と相談を心がけましょう。
- 看護師: 入居者の健康状態について、看護師と情報共有し、連携してケアプランを作成します。必要に応じて、医師への報告を促しましょう。
- 医師: 入居者の状態について、医師に相談し、指示を仰ぎます。必要に応じて、往診や入院の検討を提案しましょう。
- 家族: 入居者の状態について、家族に説明し、今後のケアについて相談します。家族の意向を尊重しつつ、入居者の健康状態を守るための協力を求めましょう。
関係者との連携を密にすることで、多角的な視点から問題解決を図ることができます。また、チームとして入居者のケアに取り組むことで、より質の高いケアを提供することができます。
3-3. 専門知識の習得と自己研鑽
介護に関する専門知識を深め、自己研鑽に励むことも重要です。具体的には、以下の方法で知識を深めます。
- 研修への参加: 介護に関する研修やセミナーに参加し、最新の知識や技術を習得します。
- 資格取得: 介護福祉士などの資格を取得し、専門性を高めます。
- 情報収集: 介護に関する書籍や雑誌、インターネットの情報などを活用し、情報収集を行います。
- 事例研究: 他の介護施設の事例を参考に、自施設のケアに活かせる点を探します。
専門知識を深めることで、入居者の状態をより的確に把握し、適切なケアを提供することができます。また、自己研鑽に励むことで、介護士としての自信を高め、キャリアアップにも繋がります。
3-4. 倫理的な葛藤への対処
現状の対応に納得がいかない場合、倫理的な葛藤が生じるのは当然のことです。そのような場合は、以下の方法で葛藤に対処しましょう。
- 倫理的な視点からの検討: 介護の倫理綱領を参考に、自分の行動が倫理的に正しいかどうかを検討します。
- 第三者への相談: 信頼できる同僚や上司、または外部の専門家(ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなど)に相談し、客観的な意見を求めます。
- 記録の活用: 記録を詳細に残すことで、自分の行動の根拠を明確にし、後で振り返ることができます。
- 自己ケア: ストレスを溜め込まず、心身の健康を保つために、休息や趣味の時間を取りましょう。
倫理的な葛藤は、介護士としての成長の機会でもあります。積極的に問題に向き合い、解決策を探求することで、より深い理解と成長に繋がります。
4. 施設への働きかけ: より良いケアの実現に向けて
介護士としてできることを実践しつつ、施設全体でより良いケアを提供できるよう、積極的に働きかけましょう。具体的には、以下の点を意識します。
- 問題提起: 記録や情報に基づき、施設全体で共有すべき問題点を明確にし、改善策を提案します。
- ケアプランの見直し: 入居者の状態に合わせて、ケアプランを見直し、より適切なケアを提供できるように働きかけます。
- チームワークの強化: チーム全体で情報共有し、連携を強化することで、より質の高いケアを提供します。
- 研修の実施: 職員のスキルアップのために、研修の実施を提案します。
- 情報公開: 施設のケアの質を向上させるために、情報公開を推進します。
これらの働きかけを通じて、施設全体の意識改革を促し、より良いケアの実現を目指しましょう。
5. 専門家の視点: 介護現場で起こりうる問題と解決策
介護現場では、様々な問題が起こり得ます。以下に、専門家の視点から、よくある問題とその解決策を紹介します。
- 問題: 認知症の入居者の徘徊。
- 解決策: 環境調整(安全な空間の確保)、レクリエーションの実施、家族との連携、徘徊検知システムの導入など。
- 問題: 褥瘡(床ずれ)の発生。
- 解決策: 体位変換の徹底、栄養管理、スキンケア、エアマットレスの導入など。
- 問題: 職員の人手不足。
- 解決策: 業務効率化、人員配置の見直し、ICTの活用、職員の定着率向上策など。
- 問題: 家族とのコミュニケーション不足。
- 解決策: 定期的な面談、情報共有、家族会の開催、相談窓口の設置など。
これらの問題に対する解決策は、施設や入居者の状況によって異なります。専門家のアドバイスを参考に、自施設に合った解決策を検討しましょう。
6. 今後のキャリアパス: より良い介護を提供するために
今回の経験を通して、あなたの介護に対する思いはさらに強くなったことでしょう。今後のキャリアパスについて考えてみましょう。
- スキルアップ: 介護福祉士などの資格取得、専門的な研修への参加。
- キャリアアップ: リーダー、主任、施設長などの役職を目指す。
- 転職: より良い環境で、自分の理想とする介護を提供できる施設を探す。
- 独立・起業: 訪問介護事業所などの設立。
あなたの目標や希望に合わせて、キャリアパスを選択することができます。今回の経験を活かし、より良い介護を提供できる道を探求しましょう。
もし、今の職場で問題解決が難しいと感じたら、転職も一つの選択肢です。あなたの経験とスキルを活かせる職場は必ずあります。
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7. まとめ: あなたの行動が、未来を変える
今回の相談を通して、あなたが抱える問題と、そこから生まれる葛藤、そして、入居者の方々への深い愛情が伝わってきました。今回の記事で提案したアクションプランを参考に、まずはできることから始めてみましょう。記録をつけ、関係者と連携し、専門知識を深めることで、現状を打開する道が開けるはずです。そして、あなたの行動が、入居者の未来、そして介護業界の未来を変える力となることを信じています。
最後に、あなたが一人で抱え込まず、積極的に行動することで、必ず状況は改善に向かいます。応援しています。
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