86歳、施設入所を成功させる！介護施設選びの最終チェックリストと、プロが教える入所交渉術
86歳、施設入所を成功させる！介護施設選びの最終チェックリストと、プロが教える入所交渉術
この記事では、86歳のお母様の介護施設への入所を検討されているご家族の方々に向けて、具体的な施設選びのステップと、入所を成功させるための交渉術を解説します。特に、介護度が低く、様々な事情から入所が難航している現状を打破するために、どのような施設を選択肢とし、どのように交渉を進めていくべきか、具体的な方法を提示します。介護保険制度の知識、施設の選び方、そして入所交渉のポイントを網羅し、ご家族が抱える不安を解消し、最良の選択ができるようサポートします。
入所施設の選び方について相談させてください。現在要介護1の86歳の女性です。今月末が更新時期でしたが、期限切れにならないよう早めに手続きし更新しました。更新前はデイサービスに週1回通所、それ以外は利用していませんでした。最近目立って体力の衰え、おもらしや物忘れ、持病の悪化が目立ちます。更新時の訪問調査でも必死に言えるだけのことは言いましたが上記の判定でした。確かに書類上は一人暮らしが出来ている様な形になっていますが、現状は酷いです。調理、洗濯、掃除、家事は自力でしなくなり、別居の家族が時々訪問してやっています。ホームヘルパーは断固拒否、配食サービスは1か月でやめてしまいました。
以前当知恵袋やケアマネさんからたとえ介助や手すりが必要でも自力で歩ける人はほぼ自立と判定されるし、内臓疾患は介護判定にあまり影響しないと聞きました。
現在一人暮らしの86歳女性。糖尿病、脳梗塞、肺線維症、右ひざ関節痛、第二腰椎変形症（骨粗鬆症由来・腰痛）、頻脈、逆さまつ毛、白内障の手術歴、等々の既往歴あり。現在特に糖尿のコントロールと肺線維症がひどいです。肺線維症は右肺の1/3が真っ白で左肺もかなり進行しています。酸素療法が必要になるのも時間の問題です。通院も付き添いが不可欠。最近はほとんど横になっている時間が多く、曜日や時間の感覚もずれてきています。ありとあらゆる生活にかかわる事が自分で出来ないのです。
家事をやっている別居の家族も事情がありこれ以上手助け出来ません。在宅で無理なら施設入所でと考え、本人もなんとか同意し入所先を探し始めましたがうまくいきません。介護度が低いため現実問題として特養は無理、有料老人ホームは金が無い。老健は通院が出来ないので困る。認知症はないのでグループホームもペケ。唯一空きのあった老健に逆さまつ毛抜きだけ通院を認めてくれないか交渉しましたがだめでした。
このような状況の場合、どのような施設を選択するのがいいでしょうか。アドバイスお願いします。補足介護度を上げる方法やテクニックではなく、現状の者が現状のまま入所するにはどこへどのようにするのが良いか、この先どういうサービスを利用し生活していけばよいのかの意見をお願いします。主治医へのお願いや調査時の小芝居、家族の大げさな作り話も混ぜた困ったことの訴え等々は当然しました。内臓疾患は本当に判定に加味されにくいのでしょうか？
1. 現状の整理：抱えている問題と優先順位の明確化
まず、現状を客観的に整理し、問題点を明確にすることが重要です。相談者の状況を詳細に分析すると、以下の点が課題として浮かび上がります。
- 介護度の低さ: 要介護1であり、特別養護老人ホーム（特養）の入所は困難。
- 経済的な制約: 有料老人ホームは費用的に難しい。
- 健康状態の悪化: 糖尿病、肺線維症、その他の持病により、日常生活に多くの制限がある。
- 在宅生活の限界: 家事の遂行が困難であり、家族のサポートも限界に達している。
- 施設選びの難航: 老健は通院の制限があり、他の選択肢も条件に合わない。
これらの問題を総合的に考慮し、優先順位を決定します。このケースでは、「安全な生活環境の確保」と「適切な医療ケアの提供」が最優先事項となります。次に、経済的な負担を軽減しつつ、本人の希望を尊重できる施設を探すことが重要です。
2. 介護保険制度と施設の基礎知識
介護保険制度と、利用できる施設の種類について理解を深めましょう。これにより、適切な施設選びと、スムーズな入所手続きが可能になります。
2-1. 介護保険制度の基本
介護保険制度は、介護が必要な高齢者を社会全体で支えるための制度です。利用できるサービスや施設の選択肢は、要介護度によって異なります。今回のケースでは、要介護1であるため、利用できるサービスや施設が限られる可能性があります。
- 要介護度: 要介護1〜5まであり、数字が大きいほど介護の必要性が高いことを示します。
- 介護保険サービス: 訪問介護（ホームヘルプ）、通所介護（デイサービス）、短期入所生活介護（ショートステイ）など、様々なサービスがあります。
- 施設の種類: 特養、老健、有料老人ホーム、グループホームなど、様々な種類の施設があります。
2-2. 施設の種類と特徴
それぞれの施設には、特徴や入所条件があります。相談者の状況に合った施設を選ぶために、各施設の特徴を理解しましょう。
- 特別養護老人ホーム（特養）: 介護度が重い方が優先的に入所できます。費用は比較的安価ですが、入所待機者が多い傾向があります。
- 介護老人保健施設（老健）: 医療ケアとリハビリテーションが中心です。入所期間は原則として3ヶ月〜6ヶ月ですが、状態によっては延長も可能です。
- 有料老人ホーム: サービス内容や費用は施設によって大きく異なります。自立〜要介護の方まで幅広く入所できます。
- グループホーム: 認知症の方を対象とした施設です。
- サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）: 安否確認や生活相談などのサービスが提供されます。介護が必要な場合は、外部の介護サービスを利用します。
3. 施設選びのチェックリスト
適切な施設を選ぶために、以下のチェックリストを活用しましょう。各項目について、優先順位をつけながら検討することが重要です。
3-1. 施設の基本情報
- 施設の場所: 自宅からの距離、交通の便。
- 施設の設備: バリアフリー、個室の有無、共有スペースの充実度。
- 費用: 入居金、月額費用、その他費用（医療費、食費など）。
- 定員: 施設の規模。
3-2. 医療・介護体制
- 看護師の配置: 常勤の看護師がいるか、24時間対応が可能か。
- 協力医療機関: 緊急時の対応、定期的な健康チェック。
- 医療ケア: 糖尿病や肺線維症などの持病に対応できるか。
- リハビリ体制: 理学療法士、作業療法士などの専門職がいるか。
3-3. 生活環境
- 食事: 栄養バランス、食事形態（刻み食、ミキサー食など）への対応。
- レクリエーション: 趣味活動、イベントの実施。
- 職員体制: 職員の人数、経験、資格。
- 入居者の雰囲気: 見学時に確認。
3-4. その他
- 本人の意向: 本人の希望を尊重し、一緒に施設を見学する。
- 家族のサポート体制: 面会、相談、緊急時の対応。
- 契約内容: 重要事項の説明、契約期間、解約条件。
4. 施設見学と情報収集
チェックリストを参考に、複数の施設を見学し、情報を収集しましょう。見学時には、以下の点に注意してください。
- 施設の雰囲気: 入居者や職員の様子、清潔さ、明るさ。
- 医療・介護体制: 看護師や介護士に、具体的なケア内容や対応について質問する。
- 本人の希望: 本人と一緒に見学し、本人の意見を聞く。
- 質問: 疑問点や不安な点は、遠慮なく質問する。
見学後には、記録を残し、比較検討を行いましょう。複数の施設を見学することで、それぞれの施設のメリット・デメリットを比較し、最適な施設を選ぶことができます。
5. 入所交渉術：成功への道
入所を成功させるためには、事前の準備と、施設との丁寧なコミュニケーションが不可欠です。
5-1. 事前準備
- 情報収集: 施設の情報を集め、入所条件や空き状況を確認する。
- 書類の準備: 介護保険被保険者証、健康診断書、診療情報提供書など、必要な書類を揃える。
- 相談: ケアマネジャーや主治医に相談し、アドバイスを受ける。
5-2. 交渉のポイント
- 誠実な態度: 施設の職員に対して、誠実な態度で接する。
- 本人の状況を正確に伝える: 既往歴、現在の症状、日常生活の困難さなどを具体的に伝える。
- 希望を明確に伝える: 入所後の生活に対する希望や、重視する点を伝える。
- 柔軟な姿勢: 施設の条件や、入所後のサービス内容について、柔軟に検討する。
- 熱意を伝える: 入所への強い希望を伝える。
- 連携: ケアマネジャーや主治医と連携し、情報共有を行う。
5-3. 交渉のテクニック
- アピールポイントの強調: 医療ケアの必要性、家族のサポート体制などをアピールする。
- 代替案の提示: 施設の条件に合わない場合は、代替案を提示する（例：特定の医療ケアを外部のサービスで補う）。
- 交渉の記録: 交渉の内容や、合意事項を記録しておく。
- 粘り強く: 状況が改善しない場合は、粘り強く交渉を続ける。
6. 具体的な施設選択の提案
相談者の状況を踏まえ、具体的な施設選択の提案を行います。
6-1. 有料老人ホームの検討
経済的な負担は大きいですが、医療ケアや生活支援の充実度を考えると、有料老人ホームは有力な選択肢となります。特に、「医療対応型」の有料老人ホームを探すことを推奨します。これらの施設は、看護師が常駐し、医療ケアが必要な入居者に対応できる体制が整っています。費用については、初期費用を抑えたプランや、月額費用が比較的安い施設を探すことも可能です。複数の施設を見学し、費用とサービス内容を比較検討しましょう。
6-2. 介護老人保健施設（老健）の再検討
老健は、リハビリテーションと医療ケアが中心ですが、相談者の場合、肺線維症の進行や、通院の必要性から、入所が難しい可能性があります。しかし、「逆さまつ毛の抜去」のみの通院を認めてもらえないか、再度交渉を試みる価値はあります。主治医に協力してもらい、緊急性や必要性を説明することで、受け入れられる可能性もゼロではありません。また、老健によっては、通院に関する柔軟な対応を行っている施設もありますので、積極的に情報収集を行いましょう。
6-3. サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）の活用
サ高住は、安否確認や生活相談などのサービスが提供される住宅です。介護が必要な場合は、外部の介護サービスを利用します。相談者の場合、サ高住に入居し、訪問看護や訪問介護などのサービスを組み合わせることで、在宅に近い生活を送ることが可能です。サ高住を選ぶ際には、医療機関との連携や、24時間対応の看護師の有無などを確認しましょう。
6-4. グループホーム以外の選択肢
認知症がないため、グループホームは選択肢から外れますが、認知症の症状が進行した場合に備え、グループホームの情報も収集しておくと良いでしょう。また、地域によっては、認知症の方だけでなく、様々な状態の高齢者を受け入れているグループホームもありますので、情報収集をしてみましょう。
7. 介護保険サービスの活用
施設入所後も、介護保険サービスを適切に活用することで、より質の高い生活を送ることができます。
7-1. 訪問看護
定期的な健康チェック、服薬管理、医療処置など、医療的なケアを提供します。肺線維症の管理や、体調の変化に対応するために、訪問看護の利用は必須です。
7-2. 訪問介護
入浴、排泄、食事などの介助を行います。日常生活のサポートを受け、本人の負担を軽減します。
7-3. 通所リハビリテーション
リハビリテーションや、レクリエーションを提供します。心身機能の維持・向上を図り、生活の質を高めます。
7-4. 短期入所生活介護（ショートステイ）
一時的に施設に入所し、介護サービスを受けます。家族の介護負担を軽減し、レスパイトケアとしても利用できます。
8. 家族のサポート体制の構築
施設入所後も、家族のサポートは重要です。定期的な面会、相談、緊急時の対応など、積極的に関わりましょう。
8-1. 定期的な面会
本人の様子を確認し、コミュニケーションを図りましょう。施設の職員との情報交換も行い、本人の状況を把握しましょう。
8-2. 相談
施設の職員や、ケアマネジャーに相談し、疑問点や不安な点を解決しましょう。本人の希望や、状況の変化について、積極的に情報共有を行いましょう。
8-3. 緊急時の対応
緊急時の連絡体制を確認し、迅速に対応できるように準備しておきましょう。主治医や、施設の職員との連携を密にし、適切な対応を行いましょう。
9. まとめ：最良の選択のために
86歳のお母様の施設入所は、多くの課題を抱えていますが、適切な施設選びと、入所交渉術を駆使することで、必ず成功できます。チェックリストを活用し、複数の施設を見学し、情報を収集しましょう。本人の希望を尊重し、家族で協力して、最良の選択をしてください。
今回のケースでは、有料老人ホーム、介護老人保健施設（老健）、サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）を検討し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することが重要です。また、介護保険サービスを積極的に活用し、家族のサポート体制を構築することで、より質の高い生活を送ることができます。
ご家族の皆様が、安心して、そして笑顔で過ごせる日々を心から願っています。
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